Research and Development of Self-Propelled Endoscope using Single Material for Key Device
Project/Area Number |
20K20238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 順 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (00639255)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | カプセル内視鏡 / 酸化亜鉛 / 圧電材料 / ナノワイヤ / アクチュエータ / 画像認識 / ナノワイヤー / 自走型内視鏡 / 酸化亜鉛材料 / MEMS / 半導体 |
Outline of Research at the Start |
現状のカプセル内視鏡は腸の蠕動運動と同期して受動的に移動するため撮影のタイミングが不規則になる点,また,小腸,大腸のヒダ構造の影の部分が死角になり腫瘍を見落としてしまう課題がある.そこで見落としを防ぐため,移動速度が一定で腫瘍が疑われる箇所に自走可能なカプセル内視鏡の開発が必要である.そのため,本研究では,カプセル内視鏡が胃や腸の任意の位置で留まれる,または腸内を能動的に自走でき,アクチュエータと同期させ広範囲な視野を持つ内視鏡を開発することを目標とする.その際,アクチュエータ,発光素子,受光素子を構成しているキーデバイスには,環境に優しく安価な酸化亜鉛(ZnO)材料を採用する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では単一の酸化亜鉛(ZnO)材料を用いて生体内の悪環境下でも能動的に移動できる自走型のカプセル内視鏡について研究開発すること,発光素子,受光素子を製作し,アクチュエータと同期させた撮像システムを構築することを目的とした.本研究での今年度の計画に対する研究実績について以下に示す. 1.最適なアクチュエータの機構と材料パラメータの最適化(線虫型,バルーン型等): ZnOの基礎的な材料特性を把握した上で,膜の応力等の機械的特性,静電容量,電気特性を評価する評価サンプルを製作し,アクチュエータ,発光素子,受光素子に関するパラメータの抽出を行う.2022年度には消化管で停止可能なアクチュエータの機構についてバルーンを用いた2次試作品を作製し,胃腸モデルでの摩擦力の評価を行った.バルーン形状についてカプセル内視鏡モデル本体に1点で支持していたものを2点で支持することによりバルーン位置の安定化を図った.また,バルーンの内圧を検出する空気圧制御システムを構築した. 2.画素サイズと画素数の最適化: 発光素子に関しては,ZnO薄膜発光ダイオードやナノワイヤーを用いて,その電圧の印加方法や発光強度等の測定手法について検討し特性評価する.受光素子については画素サイズを変えながら画素サイズと受光感度の関係を確認し,画素サイズを小さくしていく.最終的には,アクチュエータの動作角度と特性評価で得られた受光感度の情報を基に視野角や空間分解能を考慮した画素サイズや画素数についてパラメータを最適化する.また,画像処理方法に関してのシステム最適化を行う.2022年度はZnOプロセスの最適化について実施したが,ナノワイヤーの結晶成長に至らなかった.画像認識システムの最適化では腫瘍検出におけるアルゴリズムの検討を行い,YOLOv3を用いることで,既存のアルゴリズムよりも胃腸モデルの腫瘍検出精度を向上できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
カプセル内視鏡用のアクチュエータの機構について検討し,胃や腸の消化管の病変部付近で停止できるバルーンを用いたアクチュエータの2次試作を行った.バルーンを用いたアクチュエータではバルーン内圧を確認できるように気圧センサの実装とともに電磁弁を付けて圧力コントロールできるようにした.また,アクチュエータの動力源の開発ではZnOナノワイヤーの生成法について結晶性を向上させるために材料チャンバーの設定温度を高温にしたり,チャンバー内の雰囲気を窒素雰囲気や酸素雰囲気にしたり,ナノワイヤー成長後にプラズマ処理したりしたが,X線回折法ではZnOの結晶ピークが現れず,結晶化が進んでいないことがわかった.この結果から,結晶化には外部からより大きなエネルギーを加える必要があることがわかった. 発光素子,受光素子の作製に関してZnOスパッタ膜とZnOナノワイヤー生成装置の2段構造で成長させるプロセスの確立を進めている段階である.現状はスパッタ膜での結晶性の確認はできているが、その上にあるZnOナノワイヤーの結晶成長を進めている段階である. 画像認識に関するシステムの最適化についてはYOLOv7を用いた画像認識の機械学習による画像認識精度の高精度化を行った.その結果、従来用いたAdaboostアルゴリズムの精度より検出率を示すRecallが約1.07~1.38倍,検出の正確性を示すPrecisionは約1.54~2.04倍向上した. 以上のことから,素子作製のプロセスに関して完了することを予定していたが達成しなかったため,達成度に関しては「遅れている」との判断をした.
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Strategy for Future Research Activity |
1.最適なアクチュエータの機構と材料パラメータの最適化(線虫型,バルーン型等): 2023年度はアクチュエータの機構については2次試作の結果を基にカプセル内視鏡への実装を検討してものづくりを進める.その後,電気特性と特性評価を行い,小型化を目指す. 2.画素サイズと画素数の最適化: 発光素子および受光素子においてZnOナノワイヤーの結晶化を進めて電気特性の測定を行う.その上で,発光素子は電圧の印加方法や発光強度等の測定手法について検討する.受光素子については画素サイズの検討と共に画素サイズと受光感度の関係を確認し,高画素化の検討を行う.最終的には,アクチュエータの動作角度と特性評価で得られた受光感度の情報を基に視野角や空間分解能を考慮した画素サイズや画素数についてパラメータを最適化する.また,画像処理方法に関してのシステム最適化を行う. 2023年度は薄膜発光素子,受光素子の作製についてZnOナノワイヤーの結晶化を含めたプロセスを進め,デバイス構造を検討した上で電気的特性評価を行う.画像処理方法のシステム最適化も少ない教師画像の枚数で高精度に腫瘍を検出できる方法について教師画像の撮影方法の検討を進めていく. 3.ロボットの動きと同期した撮像システムの最適化: 生体内を模倣し胃腸モデルについて3次元プリンタ等を活用した形状モデルの作製と粘液,温度,湿度等の悪環境を見立てた動作環境を構築する.その上で,モデル内の見落としを防止するためのロボットの動きと同期した撮像システムの構築を行う.サイズの目標値は従来のカプセル内視鏡(ギブン・イメージング株式会社製PillCam)の直径11㎜,長さ26㎜より小さいサイズを目指し検討を行う.
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)