Project/Area Number |
20K20261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90150:Medical assistive technology-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
大貫 雅也 杏林大学, 保健学部, 助教 (30759775)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 完全人工心臓 / カスケード血液ポンプ / 偏心力 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、カスケードポンプの完全人工心臓への応用を目指している。カスケードポンプは、構造が単純で高圧力を実現できることから工業分野を中心に応用されているが、血液ポンプとしての実績はない。開発を目指すカスケード血液ポンプは、ポンプ内部の流路を独自形状とすることで、ポンプ内圧力をバランスさせ、インペラに加わる力を相殺する特徴がある。これにより、回転数を急激に変化させて拍動流を生み出す際に生じる軸受への偏心負荷を激減させることが可能となる。 本研究は、このカスケード血液ポンプの実用可能性を明らかにするために、新規デザインによる偏心力の低減効果および血液適合性に関して検討することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、完全人工心臓用ポンプとして拍動流発生能力の高いカスケードポンプを応用することを目指している。カスケードポンプのハウジングは馬蹄形のような環状形状であるため、解剖学的に重要となる流入・流出ポートの配置を、周側面近傍に開口させることが可能となる。一方で環状の流路にそって圧力差が発生することにより、インペラの回転軸を流出側から流入側に偏心させる力が働く。この偏心を改善させるため、本研究では、ポンプ内圧力分布を軸中心に平衡させる独自の流路によって、インペラに加わる偏心力を回転中心で相殺できる構造を提案し、血液ポンプとしての実現可能性を検討することを目的とした。 本研究では、ポンプの外部からポンプ内部で回転するインペラの偏心力を測定するため、回転させない中心軸をポンプ外部まで延長し、その軸に回転支持されたインペラを回転させるシステムを構築した。このとき、中心軸を介してX軸、Y軸方向に伝わった偏心力を2つのロードセルによって測定する仕様となっているが、前年度までの研究では、ポンプの回転とともに中心軸が貫通したケーシング部から水漏れが生じ、水漏れをいかに防止するかが課題となっていた。2022年度は、偏心力測定時の水漏れを防止するため、中心軸とケーシングの間隙が最小限となるような設計に変更し、周囲を酢酸ビニル樹脂を用いてコーティングすることで、ポンプが安定して動作することを確認した。一方で、測定に使用する予定であった動ひずみ測定器が、半導体不足により期限ぎりぎりまで入手できず、測定環境を整備するにとどまってしまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度は、前年度までの課題であった偏心力測定システムからの水漏れを修繕し、ポンプを連続流および拍動流で駆動させた状態で、偏心力の測定を実施する予定であった。水漏れに関しては予定どおり修復することができたが、偏心力の測定に必要となる動ひずみ測定器が半導体不足の影響で入手できず、測定を進められなかったのが進捗の遅れの直接的な原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の予定に大きな変更はない。2023年度は、製作した偏心力システムを使用して、引き続き偏心力の測定を行う予定である。 1.製作した偏心力測定システムを使用し、模擬循環回路を接続して様々な条件で駆動させた際の偏心力を測定する。また、偏心力の測定結果を用いて、本研究で提案するポンプ形状について検討する。 2.連続流および拍動流駆動下における血液適合性評価(溶血評価)を行う。溶血評価は、血漿成分中に含まれる遊離ヘモグロビン量を3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)法を用いて定量化する予定である。
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