Project/Area Number |
20K20338
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Project/Area Number (Other) |
18H05319 (2018-2019)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2020) Single-year Grants (2018-2019) |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢守 克也 京都大学, 防災研究所, 教授 (80231679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹之内 健介 京都大学, 香川大学, 准教授 (00802604)
稲場 圭信 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (30362750)
八木 絵香 大阪大学, COデザインセンター, 教授 (30420425)
加納 靖之 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30447940)
飯尾 能久 京都大学, 防災研究所, 教授 (50159547)
本間 基寛 一般財団法人日本気象協会, 担当部長 (80643212)
磯部 洋明 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (90511254)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | オープンサイエンス / サイエンスコミュニケーション / 科学教育 / アクションリサーチ / 防災 / 減災 / サイエンス・学コミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「オープンサイエンス」の立場に立って、天変地異(防災・減災)に関する研究・教育のあり方を変革する。オープンサイエンスとは、狭義には、科学研究のデータや成果にアクセス可能とすること、広義には、人々からの科学研究への参画を通じて科学を推進することを意味する。本研究では、オープンサイエンス」を、防災・減災の領域に適用し、以下の2つのレベルでアクションリサーチを推進する。第1は「認識」のレベルであり、天変地異に関するデータの生成と利用の面でオープンサイエンス化を進める。第2は「実践」のレベルであり、天変地異を共に生き抜くための実践的なスキルを構築する面でオープンサイエンス化を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「オープンサイエンス」の立場に立って、天変地異(防災・減災)に関する研究・教育のあり方を変革することを目的とした研究である。「オープンサイエンス」とは、科学研究をより開かれた活動へと変革する運動である。狭義には、より多くの人々が科学研究のデータや成果にアクセス可能とすること、広義には、従来のサイエンス・コミュニケーションを拡張して、市民を含めより多くの人々が協力し、人々から信頼される科学研究を実現するための具体的手法、および、科学論・教育論を構築することを目標とする。 第1に、内陸地震に関する観測研究や成果発信に地域住民が関与する仕組みに関する研究、津波避難訓練支援アプリを通して得られる住民の行動データを蓄積したデータベースの活用に関する研究、局所的な気象現象の解明に一般住民から寄せられる情報を活用する研究や教育を実施した。具体的には、京大阿武山地震観測所と同桜島観測所における地震サイエンスミュージアムに関する研究、兵庫県宝塚市、京都府福知山市などにおける豪雨災害に関するローカルエリアリスク情報の研究、高知県黒潮町での津波行動データ分析システムに関する研究などを推進した。 第2に、古文書の解読を通して地震、台風といった事象に関する歴史的な解明を図る研究を実施した。具体的には、古文書から古地震記録を抽出する試みとして定評のある「みんなで翻刻」プロジェクトを推進した。具体的には「みんなで翻刻」のシステムの登録者数がこれまでに当初目標に迫る8400人に到達した。 第3に、高知県黒潮町、四万十町などで、地域社会における防災・減災の取り組み成果を集約展示した地元密着型の防災サイエンスミュージアムを新たに開設し、特に、市民参加型科学(シチズンサイエンス)の観点から、「オープンサイエンス」に関する実践的かつ理論的な検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「天変地異のオープンサイエンス」の柱として位置づけた「観測」と「解読」のうち、「観測」については、阿武山地震観測所のサイエンスミュージアムプロジェクトが、コロナ感染症の影響を受けつつも、他の観測所との連携プログラム、市民ボランティアの恒常的な参加体制の確立(NPO法人の設立)など、順調に進展している。また、市民参画型の地震観測活動と波形データの読み取りプロジェクトや小学生を対象にした地震観測活動への参加型教育プロジェクトも予定通り進捗した。 次に、「観測」のうち、豪雨災害に関する避難トリガー情報を、住民参画型で運用するプロジェクトも、兵庫県宝塚市、京都府福知山市などで順調に推進している。いずれについても、マスメディアで何度も取りあげられるなど、大きな成果を上げている。また、高知県黒潮町、四万十町などで進めている津波避難訓練から得られる行動データを中核とするオープンサイエンスプロジェクトも、データ集積・分析のためのフレームワークとシステムがほぼ完成するなど、順調に進んでいる。 さらに、「解読」では、古文書から古地震記録を抽出する試みとして定評のある「みんなで翻刻」プロジェクトで、登録者数がこれまでに、ほぼ目標数に達し、こちらも順調に研究が進捗している。 あわせて、市民参加型の防災サイエンスミュージアムに関するアクションリサーチを新たにスタートさせ、災害体験者と非体験者、専門家と非専門家、また、地元住民と外部者との間の「共感」という側面からの検討にも着手した。これらの取り組みをサイエンスコミュニケーションやシチズンサイエンスの観点から理論的に位置づける研究も開始できた。 ただし、コロナの影響は依然一定程度残っており、「共感」や「救済」面の研究進捗はまだ当初目標には達しておらず、全体としては、「おおむね順調」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
「観測」のうち、阿武山地震観測所サイエンスミュージアムプロジェクトでは、同プロジェクトの推進母体の組織化(NPO法人化)を完了させた。これにより、シチズンサイエンスの要となる学と民のセクターの橋渡しの部分の組織基盤が形成され、今後、安定的かつスムーズな研究と実践の推進が期待される。同時に、他の観測所(京大桜島火山観測所)におけるサイエンスミュージアムプロジェクトとの連携を通して、サイエンスミュージアムを舞台としたオープンサイエンスに関する研究をさらに推進する。 さらに、天変地異のオープンサイエンスの第3、第4の柱をなす「共感」と「救済」の側面での研究についても、上述の市民参加型の防災サイエンスミュージアムおよびそのネットワーク化に関するアクションリサーチを通じて、「観測」と「解読」の成果を、科学と社会(科学者と市民)との信頼関係を再構築し、さらには、地域住民と外部者との交流を活性化するための社会的制度を確立するための研究をさらに推進する。加えて、熟議民主主義、サイエンス・カフェ、ミニパブリックスなど、近年脚光を浴びてている「合意」や「共感」形成を志向した参加型のサイエンス・コミュニケーション手法とオープンサイエンス運動との異同についても理論的かつ実践的に検証する。 「救済」では、天変地異からの救済・再生へ向けて、宗教施設の防災面での活用などに関する研究成果をオープンサイエンスの枠組みに新たに位置づけるための研究を推進する。
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