Project/Area Number |
20K20456
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Project/Area Number (Other) |
19H05541 (2019)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2020) Single-year Grants (2019) |
Review Section |
Medium-sized Section 41:Agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, and related fields
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
白木 秀太郎 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 主任研究員 (90837501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 和純 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 企画連携部, 再雇用職員 (70463883)
溝口 勝 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00181917)
木村 匡臣 近畿大学, 農学部, 講師 (80725664)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 水稲再生栽培 / 生育モニタリング / 栄養塩類 / 再生イネ栽培 / 水生産性 / 環境負荷低減 |
Outline of Research at the Start |
近年、インドネシア国西スマトラ州で開発された新たな再生イネ栽培法(現地名SALIBU Teknologi)(以下、「熱帯多年生イネ栽培法」)は、従来の再生イネ栽培法(刈取り後のイネの株から生える若芽を栽培する農法)の収量概念を覆し、一期作と同レベルの収量を維持しつつ、二期作目以降数世代にわたり連続的に栽培して収穫を繰り返すことが実証されている。本研究では、慣行移植・再生イネ栽培法との比較栽培試験を行い、熱帯多年生イネ栽培法が、高収量を低資源(水、土地、労働力等)投入量により達成する一連のメカニズムを解明するとともに、同栽培法による環境負荷低減効果と環境保全面を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は熱帯多年生イネ栽培の高収量メカニズムの分析および環境保全面の評価のため、以下を実施した。 (1)熱帯多年生イネ栽培試験について、共同研究機関であるミャンマー農業研究局DARの試験圃場、ベトナム・クーロンデルタ稲研究所CLRRIの試験圃場において栽培試験を継続した。DARでは屋外水根栽培(バスケット法)条件下において多年生イネにおける根の形態形成を明らかにした。10品種の多年生イネ栽培を実施し、多年生イネと通常イネの根量を比較したところ、通常イネに対する多年生イネの茎当たり根量は根数が64%、根長が21%、根重が29%であった。また、多年生イネの根量と籾重は有意な正の相関が認められたことから、再生稲の低収量要因の一つは、発根力の低下に起因することが示唆された。 (2)LTE-SIMで作動するWiFiカメラシステムから送られてくる現場のイネの生育状況の画像と各種センサーデータを統合して1つのWebページに表示するためのソフトを試作した。 (3)多年生イネ栽培の環境負荷低減効果を推計するための技術として、田面水中の栄養塩濃度を、SS(浮遊物質量)濃度、水温、電気伝導度から推定する簡易モデルの作成に取り組んだ。国内の水田圃場において、定期的に田面水を採水、栄養塩濃度の分析を行い、水温、水深、電気伝導度の連続モニタリングデータを用いて、機械学習による栄養塩濃度の推計モデルのプロトタイプを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多年生イネ栽培試験については研究の精度向上を図るため、新たにベトナム中央地域を加えるなど研究計画を見直した。これにより、研究期間の延長が必要になったが、ベトナムにおいては研究推進上の問題はない。また、ミャンマーへの渡航が制限される状況下においても、機材を輸送し改良したモニタリングシステムを設置することで、現地の状況をWeb上で確認するなど両国の研究者間でデータ共有ができる。また、国内の代替水田圃場における田面水の水質モニタリング、解析等、可能な限りの手段を用いて研究開発に向けて取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)熱帯多年生イネ栽培法の増収要因を探索するための栽培試験を2か国3地域で継続し、遺伝的・環境的要因の違いがイネの再生能に及ぼす影響を明らかにする。 (2)モニタリングシステムに関してはデータ統合Webページのソフト開発を行う。 (3)水田圃場からの栄養塩排出負荷量の推定手法の構築に向け、国内の水田圃場において、SS(浮遊物質量)濃度、電気伝導度、栄養塩濃度の連続モニタリングを実施し、栄養塩収支を明らかにするとともに、田面水の栄養塩濃度の簡易推定手法の改良を実施する。
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