Project/Area Number |
20K20491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
A New Phase of Our Advanced Science and Technology Society
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷口 綾子 筑波大学, システム情報系, 教授 (80422195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 武史 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00294611)
久木田 水生 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (10648869)
田中 皓介 東京理科大学, 理工学部土木工学科, 助教 (30793963)
神崎 宣次 南山大学, 国際教養学部, 教授 (50422910)
中川 由賀 中京大学, 法学部, 教授 (50802881)
中尾 聡史 京都大学, 工学研究科, 助教 (70828954)
上出 寛子 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (90585960)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥25,740,000 (Direct Cost: ¥19,800,000、Indirect Cost: ¥5,940,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,960,000 (Direct Cost: ¥9,200,000、Indirect Cost: ¥2,760,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 自動運転システム / 社会的受容 / 倫理的課題 / 専門家と一般市民 / 自動運転バス / 自動運転 / 態度変容 / 賛否意識 / 交通ルール違反 / シビックプライド / 学際 / 定性的分析 |
Outline of Research at the Start |
自動運転システム(自動化するクルマ:AVs)の技術開発や法制度等の検討は進められているものの,社会的受容についての議論はその重要性が認識され始めたに過ぎない.本研究では,AVsの社会的受容に向けた課題を,(1)交通工学・心理学・倫理学・宗教学・メディア学といった様々な学問分野の切り口から定量的/定性的に把握するとともに,(2)19世紀末に導入されたかつての新交通モード「クルマ」の社会的受容を民俗学・法歴史学の観点で辿ることで,包括的に把握することを試みる.これらより,AVsを社会にソフトランディングさせる一助とすることが本研究の目的である.
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,日本の自動運転システム(AVs)導入の端緒とされる乗り合いバス(AVsバス)に着目し,実証実験から本格運行への過渡期にある我が国のAVsバスのあり方,方向性について,必ずしもAVsバス推進だけを目指すのでは無く,AVsバスが社会にもたらすであろう意味,意義を学際的研究会を開催して議論した.移動の社会学に関連する文献の輪読や,対馬,千葉,三重,北谷などの実証実験視察により,地域課題解決のためにAVsバスがどう貢献できるか,カスタムメイド的に検討する必要があることを共有した. また,以下のリサーチ・クエスチョン(RQ)を掲げ,調査分析に取り組んだ.RQ1:自動運転技術で想定されるELSI(Ethics, Legal and Social Issues)課題の論点整理,RQ2:自動運転車におけるトロッコ問題の実装,RQ3:自動運転事故における報復の空白の存在有無と,道徳的運の影響はあるのか,RQ4:自動運転車の事故回避を企図した交通ルール違反は許されるか :専門家と一般市民の比較,RQ5:自動・手動運転者混在空間での手動運転者の交通ルール違反対策はどのようにあるべきか. その結果の一部として,例えばRQ4では一般市民はAVsの専門家と比べ,それが事故回避を企図したものであったとしてもAVsの交通ルール違反を許容しない傾向があることを明らかにした.またAVsの技術レベルが「完全」になったときに導入を許容する割合は一般市民が高く,専門家は「人間と同等」でも許容するとの割合が高かった.RQ5においては,自動運転と手動運転が混在する環境下で起こりえる課題について,手動運転者の交通ルール違反,慣習に合わせる形で法改正を望む意見,手動運転者の交通ルール違反を教育や取り締まりにより抑制する方策を望む意見,技術的解決を望む意見が提示するケースによって様々であることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調書に記載したいくつかの「研究の切り口」からの個別研究課題への取り組みはほぼ終えており,それらを統合した議論を行ったことから,順調に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
自動運転バスは地域課題解決の手段であり,その地域のまちづくりの一環として検討すべき事項である.よって,今後は一般化・体系化を目指す研究トピックのみならず,フィールドを限定してインタビューやヒアリングによりAVsバスの導入プロセスを質的に記述し,住民や来訪者の社会的受容をシビックプライドなどの観点から計測する統一指標を開発・実施する,ビジネスとしてどのように成立するかを研究者が地域に入って検討する,などの取り組みが必要と考える.
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