個別製品レベルの大規模ミクロ・データに基づく新たな価格モデルの構築
Project/Area Number |
20K20510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 7:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺西 勇生 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (50710456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 俊章 成蹊大学, 経済学部, 講師 (10846801)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
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Keywords | 価格モデル / 製品レベルの大規模データ / 個別製品レベルの大規模ミクロ・データ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、まず個別製品レベルの大規模ミクロ・データを用いて価格設定についての新たな観察事実を示す。ミクロ・データの特徴を生かし、ある製品・製品間関係の時間変化に着目した時系列方向と、ある時点の製品・製品間の状態・違いに着目した横断面方向の2方向から、製品価格の形成過程の特徴を解明する。その上で、ミクロ・レベルで観察された新たな事実に基づき、マクロ・レベルの精緻な価格モデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画として、本研究では(1)データ観察を通じた事実の解明、(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、(4)研究成果の発信、の4つの大きな柱を定めて研究を行っている。
2022年度では、特に、(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、及び(4)研究成果の発信について大きな進展があった。構築した一般均衡モデルを用いて、従来の理論モデルでは説明できなかったデフレの要因についての分析を行った。特に、製品が生涯サイクルの間に平均で40パーセント近く下落する点を一般均衡モデルの導入することで、デフレの状況が発生しやすくなることを明らかにした。この際、製品サイクルのスピードがデフレの発生を決める大きな要因となっていることを示した。製品サイクルが早くなることで、新規製品の割合が増加することで相対的に既存財の価格下落の影響が緩和されることがこの理由となる。
また、(4)研究成果の発信、についてはこれまでの研究成果を、Dong, Mei, Toshiaki Shoji, and Yuki Teranishi, Product Cycles and Prices: Theory and Evidence、に取りまとめた上で、海外の世界的に著名な経済誌に投稿を行っている。加えて、昨年度の分析で明らかになった、マッチング・サイクルの分析についても、Hagiwara, Ryo and Yuki Teranishi, Search Frictions: A Case for Japanese Product Market、に取りまとめた。また、研究にあたっては、2月下旬からメルボルン大学に滞在しながら、Dong教授とモデルの最終的な修正とシミュレーションの修正を集中的に行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画として、本研究では(1)データ観察を通じた事実の解明、(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、(4)研究成果の発信、の4つの大きな柱を定めて研究を行っている。
2022年度では、特に、(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、(4)研究成果の発信、について大きな進展があった。また、2つの研究論文、① Dong, Mei, Toshiaki Shoji, and Yuki Teranishi, Product Cycles and Prices: Theory and Evidence、② Hagiwara, Ryo and Yuki Teranishi, Search Frictions: A Case for Japanese Product Market、を執筆することができた。
特に、Dong, Mei, Toshikai Shoji, and Yuki Teranishi, Product Cycles and Prices: Theory and Evidence、については既に海外の世界的に著名な経済誌に投稿を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画として、本研究では(1)データ観察を通じた事実の解明、(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、(4)研究成果の発信、の4つの大きな柱を定めて研究を行っている。(1)データ観察を通じた事実の解明、についてはデータの購入が終了し、ある程度のデータ分析を行うことができた。(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、については、基本部分のモデルの構築が終了したことから、今後データから新たに解明された事実に沿ってモデルの拡張を行う予定である。(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、については従来のモデルでは説明できなかった日本で長く続くデフレの要因として、製品サイクルでの価格下落とサイクルのスピードが大きく関係することを一般均衡モデルを用いて示すことができた。今後も、より詳細な分析を進展させていきたい。(4)研究成果の発信、については現在行っている投稿作業を引き続き行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)