Project/Area Number |
20K20519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 11:Algebra, geometry, and related fields
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
大鹿 健一 学習院大学, 理学部, 教授 (70183225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 秀樹 金沢大学, 数物科学系, 教授 (40385480)
山田 澄生 学習院大学, 理学部, 教授 (90396416)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,740,000 (Direct Cost: ¥19,800,000、Indirect Cost: ¥5,940,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | 接バンドル / earthquake / 双曲構造 / Kodaira-Spencer理論 / Thurston距離 / Thurstonの一意化定理 / Finsler距離 / Thurston理論 / Teichmuller空間 / 余接バンドル / Lorentz計量 / Klein群 / 変形空間 / Higgs束 |
Outline of Research at the Start |
低次元トポロジーで長年主力となってきた理論体系として,双曲幾何を通じたThurston理論とゲージ理論がある.これまでこれら2つの理論の間には大きな交渉はなかった.本研究ではThurston理論をバンドル理論の枠組みに載せることにより,ゲージ理論化することを試みる.従来は多様体自体の構造として捉えられていたものを,バンドルを通じて解釈しなおすことにより,Thurston理論でこれまで深い意味がわからなかった現象を,調和写像,Higgs束,ゲージ理論の量子化などを通じて解明することにより,Thurston理論のさらなる発展に大きく寄与することを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
Thurston理論のバンドルを用いた解釈としては,以下のように,2次元における理論を先行して発展させることができた. 大鹿は,前年度に行ったThurston非対称距離がTeichmuler空間にもたらす幾何の余接バンドルを通じた解釈に加えて,今年度はHuang, Pan, Papadopoulosと共同で,earthquake距離のTeichmuller空間の接バンドルを用いた無限小剛性を与えることに成功した.この結果の応用として,この距離の導くノルムが全ての点で非対称であることを示した.さらにこの距離の幾何について新たな解釈を与え,大域幾何的記述を与えることができた.この距離は曲面上の自明区間束のAdS構造についての,凸芯を考えると,その体積を記述するものとなっていることがわかる.したがってThurtonの双曲3次元多様体の理論の類似としてAdS構造を考え,その変形空間の境界構造を扱うための重要な指標を与えたことになる. 宮地はTeichmuller計量の幾何学を俯瞰するような,Finsler幾何学の展開を目指し,Teichmuller空間上の2重接構造について研究した。実際,接空間の接空間と余接空間,余接空間の接空間と余接空間についての特徴付け,それらの接空間と余接空間の間のペアリングの特徴付け,そして正則ベクトル場のリー括弧積の特徴づけを,モジュライ(Kodaira-Spencer理論)の視点からの視点から定式化した. 山田は,Papadopoulos, A'Campoと共同で,Teichmuller空間の幾何学的特徴付けを行った。特にリーマン面上の共形幾何学と双曲幾何学の双方を複眼的に用いる新しい理論を構成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を開始した2020年度から2022年度前半までは,コロナ禍の影響で,国際共同研究に著しい遅れが生じた.2022年度後半,2023年度においては,海外出張を通常のように行い,国際共同研究が再びできるようになった.これに伴い,研究の初頭における遅れを取り戻すことができた.現時点で研究対象は2次元の場合に限定しているが,2次元においては3人のそれぞれの研究の成果として,理論の完成が見込まれている.また研究成果の発表も内外の研究集会やセミナーでの口頭発表が頻繁に行われている.研究成果は最終的に論文として発表していく予定である.特に大鹿の国際共同研究については,すでに論文として書き上がっており,preprintをarxivに掲載している.昨年度までの研究成果については,順調に論文のaccept,出版を続けている.
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Strategy for Future Research Activity |
2次元における研究は,これまでに大きな成果を挙げて来たが,理論を完成させるためには以下のことに取り組む必要がある.Thurtson距離の余接空間とearthquake距離の接空間はWeil-Petersson距離を介して双対の関係にあった.これは双方を媒介する概複素構造の存在の可能性を示唆している.この予想は宮地が進めているKodaira-Spencer理論の類似とも関係し,Teichmuller距離における複素構造に由来する様々な現象を双曲距離の変形理論へ持ち込むことに対応している.また山田の共同研究で得られているTeichmuller空間のconformal geometryを用いた特徴づけは,双曲計量の変形理論にも拡張できることが期待できる.こららの方向の研究をフランス,中国の共同研究者とともに進めていく.国際共同研究の場を7月にPisaのCentro di Ricerca Matematica Ennio De Giorgiが提供してくれるので,ここにおいて基礎理論を固める.その後得られた成果を,年度後半にICTSやStrasbourg大学で公表しつつ,論文の形でまとめていく. 3次元における理論も本格的に始める予定でいる.これは大鹿がフランス出張中にLyon, Strasbourgなどのフランスの共同研究者と進める予定でいる.
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