Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
|
Outline of Annual Research Achievements |
複雑な神経系の構成原理を理解するためには、個々のニューロンのトランスクリプトーム(TC) により規定されるタイプとそれぞれの接続頻度とを紐づけた定量的情報が必要となる。本研究期間において、雄マウスが交尾・パートナーの出産を経て父親になる際に変動する神経回路として外側視床下部の興奮性神経細胞 (特にMCH陽性タイプを多く含む)から室傍核オキシトシン神経細胞への神経回路の変化を同定した (Neuron 2022)。また、雌マウスの妊娠中に大きく変動する神経回路を同定し、その機能解析を進めている (under prep)。本研究では狂犬病ウイルスベクターに多数の分子バーコードを付与してRNAseqによりそれを読みだす系の開発も試みたが、神経細胞核を回収する効率の低さに阻まれ、実用的な手法とすることは難しいことが判明した。しかしその検討の過程で10xChromium社の提供するプラットフォームを用いて数万個の細胞核を集めてdropletベースのRNAseqに供する技術に習熟し、健常発達群と社会性行動に異常を呈する神経疾患のモデルマウスにおいて、視床下部室傍核の様々なTC細胞タイプにどのような異常がみられるかを検討した。その結果、社会行動に深く関与すると考えられる小細胞性オキシトシン神経細胞に重大な障害が蓄積する脆弱性があることを発見し、自閉症モデル研究に一石を投じる重要な発見になった (Tsurutani M et al., bioRxiv, 569733, 2023)。さらに、脊髄に存在する多様なTCタイプの投射特異性の問題にも取り組み、臓器を制御する特定の交換節後神経の同定に成功するなどの成果を上げた (Harima Y et al., bioRxiv, xxx, 2024)。このように本テーマは技術要素の実装とbiologyの開拓の両面において順調に進捗した。
|