Study on the mechanism of neuron cell activity induction and motion induction by ultrasound stimulation
Project/Area Number |
20K20642
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 周 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30272371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 和彦 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 モデル動物開発研究部, 部長 (00226630)
神保 泰彦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20372401)
榛葉 健太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80792655)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2020: ¥10,400,000 (Direct Cost: ¥8,000,000、Indirect Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | 超音波 / 神経細胞 / 運動誘発 / カルシウムイオン / 数理モデル / マイクロバブル / 力学刺激 / 興奮伝播 / 発火 |
Outline of Research at the Start |
超音波の脳神経系の刺激に関しては,神経細胞レベルで発火が観測されている複数の報告がある一方,マウスを用いた動物実験では,脳への超音波刺激による運動誘発は脳神経系への刺激ではなく,聴覚を刺激する音の影響によるものとする異なる内容の報告がなされている.申請者らは,超音波が神経細胞の活動を誘発し,生体の運動誘発が達成できる可能性について,独自の実験系や数値解析手法を利用して,その詳細を調べる.本実験で得られた知見は,今後,脳神経系に損傷を与えない低強度の超音波による脳活動の活性化などへの応用に繋がり,将来的にはリハビリや認知機能の改善などへの革新的技術へと展開していくことが期待できる
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,超音波照射により神経細胞群に生じる集団的発火とラットの経頭蓋超音波照射により誘発される運動の関係を調べ,超音波照射のもたらす力学的刺激が脳神経系の活動及び生体の運動を誘発するメカニズムについて知見を得ることを目的とする.また,それらをシミュレーションにより再現する数理モデルを構築し,運動誘発の最適条件などを検討するためのツールを開発することを目指している. 本年度は,基盤上における培養した神経細胞の細胞密度を変化させ,カルシウムイオンの放出について調べた.その結果,細胞密度が低いほど,超音波照射に対するカルシウムイオン放出が強くなり,イオン放出のピークの後,減衰するときの緩和時間が長くなる傾向があるのがわかった.この傾向は,神経細胞の自発活動と同様の傾向となるため,実験データから自発活動によるカルシウムイオンの放出と超音波照射によるものの区別をするのが難しいことが判明した.そこで,シナプス伝達を阻害したところ,神経細胞の自発活動はなくなったが,超音波照射によるカルシウムイオン放出は存在した.このことより超音波刺激に対する応答は,シナプスを介した共鳴現象のようなものではなく,一つの細胞レベルで生じ,分離された複数の細胞で独立してカルシウムイオンの放出がおきていると判断した.すなわち,超音波刺激に反応した細胞がそれぞれカルシウムイオンの放出を起こしていると考えられる.一方.自発的発火の場合は,一か所で起こったカルシウム放出はシナプス結合を介して,周囲に広まるため,シナプス伝達を阻害した場合,同時に複数の細胞からのカルシウムイオン放出が起こらなかったと考えられる.このことより,カルシウムイオンの放出が自発活動だけでなく,超音波照射により生じていることが確認できた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は,コロナ禍のため,共同研究先である神保研での神経細胞の培養ができず,その影響を令和4年度に引きずり,令和3年度に実施予定だった実験を令和4年度に実施した.そのため,実験の進捗が当初の予定より遅れており,予定を変更して令和5年度まで研究期間延長の申請を出した.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,細胞への力学刺激を局在化させることを目指す.これにより単一の細胞に対する超音波刺激とカルシウムイオンの放出の関係について,より詳細な関係を調べることができる.令和4年度においても,細胞への刺激の局在化を目指し,超音波血管造影剤であるマイクロバブルの存在下で超音波照射を行った.その結果,超音波照射なしに比べ,低強度でカルシウムイオンの放出が起きるケースがあることが確認できたが,十分な実験回数をこなすことができなかったため,本年度はさらに追加実験を行い,データの信頼性を増す.また,力学的刺激の局在化を達成するためのデバイスを開発し,局所刺激によるカルシウムイオンの放出について調べる.
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)