死亡票とレセプトの連結解析による高齢者終末期ケアの実態解明
Project/Area Number |
20K20674
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Studies on the Super-Aging Society
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Research Institution | Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
西 巧 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (20760739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 俊樹 福岡大学, 医学部, 講師 (50555555)
馬場園 明 九州大学, 医学研究院, 教授 (90228685)
今任 拓也 福岡大学, 薬学部, 講師 (20368989)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 終末期ケア / 高齢者 / 国保データベース(KDB) / 死亡票 / データリンケージ / 終末期医療費 / 国保データベース |
Outline of Research at the Start |
我が国の終末期医療に関する議論において引用される数値的根拠は2000年代前半のデータを使用したものが多く、一般国民のみならず研究者や政策決定者の間でも、日本の終末期ケアの実態に関する正確な情報を把握できていない現状にある。 そこで、本研究は、福岡県の2014年~2020年に死亡した高齢者の死亡票とレセプトの連結解析を行い、これまでの研究では解明不可能であった日本における高齢者終末期ケアの実態と、医療・介護資源利用状況に関連する要因を明らかにする。高齢者終末期ケアの実態を明らかにする本研究の実施によって、超高齢・多死社会の到来に向けた終末期ケアのあり方に関する政策提言に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、死亡票と医療・介護レセプトを連結し、福岡県内における死因・死亡場所別終末期医療・介護費と終末期医療・介護費上位10死因の医療・介護給付費の推移を明らかにした。 2014年から2020年の人口動態調査死亡票と、福岡県内市町村国保と後期高齢者医療広域連合のKDB突合CSVのうち、2014年1月から2020年12月までに死亡によって資格喪失した者について、後期移行者名寄せ処理済み被保険者台帳データを連結した。死因が自殺や事故等の外因死である者と65歳未満を除外し、最終的に、279,585名を対象とし、各年の総医療・介護給付費について集計し、死亡1年前の医療・介護給付費の占める割合を明らかにした。次に、医療・介護給付費上位10位までの死因ごとに、死亡前1年間の1ヶ月ごとの利用者1人当たり医療・介護給付費の推移を明らかにした。 2014~2020年の福岡県内市町村国保・後期高齢者の高齢者医療・介護給付費は105,551.0億円であった。このうち、死亡前1年間のものは12,546.1億円(11.9%)であった。医療・介護給付費の推移については、悪性新生物<腫瘍>、その他の消化器系疾患、その他の呼吸器系疾患が死亡3ヶ月前の月から死亡前月にかけて急増する一方で、老衰、腎不全、アルツハイマー病、血管性及び詳細不明の認知症では、死亡前月にかけての緩やかな伸びが見られた。 終末期の高齢者に対する医療・介護資源利用状況を明らかにすることができた。さらに、上位10死因に着目すると、老衰、アルツハイマー病、血管性及び詳細不明の認知症では、医療費が占める比率が50%程度と低く、悪性新生物<腫瘍>では88.2%、その他の死因でも医療費が70%程度を占めていた。このため、死因別の医療・介護それぞれの利用状況についてさらに詳細に検討する必要性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行のため、療養・死亡場所の解析を行う研究分担者の在外研究時期が研究期間の最終年度にずれ込んでしまった。更に帰国時に研究代表者の所属施設に保管している実際のデータベースを用いてデータセットを作成した上で、解析を行い、論文を作成する予定であったが、研究代表者が新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者・陽性者となってしまい、予定通り実施できなかった。 このため、研究期間を1年延長したが、集計した解析用データセットは完成しているため、やや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果についてまとめ、論文投稿を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)