The aspects of succession, disconnection and revival of the Songs and Dances of Rice planting in modern Japan: through approaching from the group's memories to an individual's memory.
Project/Area Number |
20K20685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Okinawa Prefectural University of Arts |
Principal Investigator |
三島 わかな 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (60622579)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 御田植芸能 / 断絶・復活 / 現代的継承 / 読み替え・文脈転換 / 表象 / 奉納芸能の舞台芸能化 / 俗謡の神事化 / 地域芸能と学校 / 伝承のありかた / 復活と断絶 / 自意識のもちよう / 様式の変化 / 様式の無変化 / 御田植祭 / 文化の復興 / 伝統の継承 / 次世代への継承 / 地域間交流 / 地域おこし / 現代社会における変質 / 総合的学習の時間 / 既成の価値観 / 伝統の創造 / 現代社会 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、田植歌や田植踊などの継承の基盤となる日本各地で実施されている御田植祭や御田植式に注目する。その理由は、現代におけるそれらの主催者が寺社や地方行政(農水課、観光課等)、農業協同組合、芸能保護団体等と多様化し、そこには旧来の意味が変質し、現代的意義が新たに付与されているケースも見られ、実施状況も開催ごとに多様であるからだ。 本研究では全国の田植に関わる祭事の分類を図り、1.安定的開催と実情解明、2.断絶した祭事の復活過程の解明、3.継承や復活に伴う芸態変化の整理、4.持続可能な継承システムのモデルを探る点にある。文化伝承に介在する「集合的記憶」と「個人的記憶」の間のダイナミズムにも迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代以降の日本社会で実施されてきた(戦前は実施されたが、戦後断絶したものも含む)各種御田植祭で奉納される御田植芸能を対象として、①現代における「継承」のありかたの解明、②戦後の歴史的展開における「断絶」の背景の解明、③戦後断絶した御田植芸能の「復活」の背景についてアプローチしてきた。 解明点として、戦前の沖縄県で執り行われていた「献穀田御田植祭」では、奉納芸能として《献穀田御田植歌》(作詞:神田精輝、作曲:宮良長包)ならびに「献穀田御田植踊」が全県的に継承されていたが、戦後は米軍統治下の時代にあって「献穀田御田植祭」は社会的基盤を失い、《献穀田御田植歌》や「献穀田御田植踊」も断絶した。その後1972年に沖縄は本土に復帰し、断絶から四十数年を経た1980年代後半に献穀田御田植芸能は復活を果たした。復活の背景として、①(当該芸能の継承に直接かかわった)戦前の担い手(早乙女)の存在、②(当該芸能にかかわりはないが)地域の芸能の継承を重視する人物の存在(献穀田御田植芸能「復活」の実質的な立役者)、③献穀田御田植芸能に込められたメッセージの「読み替え」(戦前においては天皇制を支える奉納芸能だったが、戦後の復活においては従来の機能から脱却し、生命を謳歌して平和を尊ぶ舞台芸能へと転換)がはかられた。 そのほかの調査地における解明点としては、(1)住吉大社御田植神事(大阪府大阪市)では古来より田植踊・田植歌の奉納は無かったが、1928年に地域の田植歌が編入され(俗謡の神事化)現代に至る。(2)祐徳稲荷神社御田植神事(佐賀県鹿島市)ならびに(3)慶徳稲荷神社お田植まつり(福島県喜多方市)で奉納される御田植歌の旋律はひとたび近世末に断絶し、近代になって新作されたことが判明した。直近の注目点として、(2)祐徳稲荷神社御田植神事では、2022年度から近隣の小学校が参加するようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定研究計画書に掲げた調査地のうち、「新嘗祭献穀田御田植式」(島根県隠岐郡海士町)については2020(令和3)年度以降、開催されていないため(2019年より流行している新型コロナウイルス感染症のため)、フィールド調査ならびにヒアリング調査、現地資料調査が未調査である。 そのほかの調査地のうち、「香取神宮御田植祭」(千葉県香取市)、「住吉大社御田植祭」(大阪府大阪市)、「祐徳稲荷神社御田植祭」(佐賀県鹿島市)、「慶徳稲荷神社御田植神事」(福島県喜多方市)においては(2019年より流行している新型コロナウイルス感染症のため)ヒアリング調査が不完全もしくは実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
「新嘗祭献穀田御田植式」(島根県隠岐郡海士町)については、2023(令和5)年度の開催を確認後、現地入りし、フィールド調査ならびにヒアリング調査、現地資料調査を遂行する予定である。 「香取神宮御田植祭」(千葉県香取市)、「住吉大社御田植祭」(大阪府大阪市)、「祐徳稲荷神社御田植祭」(佐賀県鹿島市)、「慶徳稲荷神社御田植神事」(福島県喜多方市)においては、2023(令和5)年度内で補足調査(おもにヒアリング調査)を実施する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)