Neural correlate of coordination and consensus: Neurocognitive approaches to social sciences
Project/Area Number |
20K20749
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 6:Political science and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 淳子 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00251314)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 脳 / 社会的行動 / プロスペクト理論 / 合意形成 / 機能的磁気画像共鳴法 / 動的因果モデル / 認知神経科学 / 合理性 / 社会的決定 / 利害対立 |
Outline of Research at the Start |
異なる考え方や立場を持つ個人が形成する人間社会においては、利害の調整や合意の形成は重要な課題であり、社会科学、特に政治学の分野では、この問題をめぐって研究が進められてきた。本研究は、MRI実験を行い、脳の撮像データを得ることによって、社会科学の分野で蓄積されてきた行動実験の知見を発展させる形で、合意が形成される際の心理過程の比較、その際の個人の決定の神経基盤、さらには合意形成に関わる心理過程を解明することに資する。脳神経科学の社会的行動の研究は、人文社会科学分野の既存の行動モデルを実験デザインに適用することが多いが、それをさらに融合的に進める挑戦的研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳の賦活部位間の機能連結を推定する手法である動的因果モデル(Dynamic Causal Modeling)を用いる分析手法による解析を行うとともに、あらたなMRI実験を行った。プロスペクト理論を用いた実験においては、獲得フレーミング下と損失フレーミング下の決定における、脳の賦活部位の機能連結を比較する解析を行った。解析手法の工夫により、参加者がリスク回避かリスク追求かといった、決定や行動に左右されない相違が、獲得フレーミングと損失フレーミング下の機能連結に存在することを確かめた。これは、決定のフレーミング(コンテクスト)に認識によって、機能連結が異なっていると考えられる。さらに、この相違が、個人のリスク態度のばらつきにも左右されないことも確認した。特に、フレーミングに敏感に反応し主観的リスク評価を行う参加者も、フレーミングに反応せず、客観的リスク評価を行う参加者も、同じように相違が見られたことは、DCM between subject analysisを用いた成果であるとともに、リスク態度の個人的相違に左右されない、フレーミングの効果という点で、プロスペクト理論においても、興味深い結果となった。その成果をもとに論文を書き上げた。また、合意形成の神経基盤を解明するMRI実験も進めた。この間、日本神経科学大会、海外では、米国神経科学大会で、ポスター発表も行った。法社会学会では口頭発表を行った。動的因果モデル(DCM)が方法として新たな可能性を示すものであることから、今までの研究成果をまとめる形で方法の意義についても、科学研究費シンポジウムなどで発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRIによる非侵襲的脳機能計測の限界が指摘される中、動的因果モデル(Dynamic Causal Modeling)を習得し、成果を上げることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
既に投稿段階にある論文を掲載に至らせることと、合意形成実験の解析、論文執筆、発表を行う。その間、学会発表なども行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)