Project/Area Number |
20K20812
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 教授 (30252886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 雄一 千葉大学, 教育学部, 教授 (10400805)
高木 啓 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90379868)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 養護教諭養成 / 教科教員養成 / 事故 / 共通理解 / コミュニケーションスキル / 教職大学院 / 附属学校 / 養護教諭 / 一般(担任)教諭 / 養成の溝 / ICT教育 / GIGAスクール / 保健教育 / 教員養成 / 担任教諭 / 情報伝達 / ICT活用 / 保健授業 / 担任教員 / チーム学校 |
Outline of Research at the Start |
現代的教育課題の支援主体の養護教諭からは、「教員は保健室経営という言葉さえも知らない」との不満が、担任教員からは「養護は何をしているか不明」の声が聞かれ、チーム学校の「ひずみ」が指摘されている。この原因として養成段階からの両者の乖離がある。本申請研究「担任教員と養護教諭のお互いに対する認識のずれの解明」では、養護教 諭と教員養成双方の研究者が協働し、これまで明らかにされてこなかった両者の「溝」を明らかにする。本研究はこれまで意識されなかった領域でので新規研究課題を生み出す革新的な取組みである。
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Outline of Annual Research Achievements |
養護教諭養成と一般の教科の教諭養成はそれぞれ別のシステムで行われており、カリキュラムベースで20%以下の重なりしかなく、重なる部分も一般教養であり、教員としての資質能力にかかわる部分では共通する授業はない。また養成者も全く異なるバックグラウンドであり、それぞれにどのように養成しているかについての共通理解を図る機会や場所も存在しない。このため個二つの教員はそれぞれ別々に養成が行われ、共通理解のないまま学校に配置されている。これが原因となって学校内での情報共有などにおいて溝が生じている可能性が考えられる。本研究では両者の溝について調査するとともに、これを補完するICTの活用方法について研究を進めている。 令和4年度は、教員養成において教科の養成学生と養護教諭の養成学生が事故発生時に連携する必要性を認識し、さらにどのように連携する必要があるかについてその情報共有の詳細を時間経過を追って学ぶ授業に関して授業研究を行った。この授業研究は教職大学院、附属中学校と連携し行った。この結果、開発した授業を理科教育養成コース学生と養護教諭コース養成学生との協働授業として施行した。この結果について自由記述をもとにテキストマイニングの手法なども用い分析した。この結果を千葉大学教育学部研究紀要などに報告した。 さらに、この結果に基づき開発したロールプレイを中心とする授業の改善を進め、卒業前に教員志望学生の実践力を高めるために開講されている教職実践演習の実質化に資する授業およびカリキュラムの開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は養成段階における溝解消のための授業研究を行い、その結果開発した授業を試行し、基礎データを得ている。本年度は, 理科と養教の学生の合同のロールプレイ演習教材の実践を通した学生の気づきと学びについて, 参加学生の振り返りシートの自由記述をもとに, この教材が学生に与える効果についての検討を行った。この基礎データに基づき授業改善を行い、さらに試行を重ねることで授業による学びに関する詳細なデータを収集している。 この結果を理科教育学会科学教育学会、日本学校保健学会で報告した。さらに、千葉大学教育学部紀要に開発偏と実践編の成果発表をおこなっている。 この後さらに規模を増やした実践実験を行い、現在、この分析結果をまとめ審査付き論文に投稿中である。 この分析結果に基づき、研修用の動画の開発を行っている。これをN市の現職の養護教諭で研究班に所属する10名に視聴してもらい、現場視点からの感想を得ている。この感想内容に関して検討し、改善に資するとともに、次の研究の展開としてこの動画を用いた校内研修の実施と成果の分析に関しても検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
中学校の理科の授業では年間1,000件以上の負傷・疾病が報告されており, 理科の観察・実験活動の安全な実施には危機管理の観点は必要不可欠なものである。万一, ケガを伴う事故が理科の授業中に起きた場合, 当該生徒と理科担当教員だけでなく, 養護教諭, 管理職, 保護者との連携が必要となる。この連携の第一歩となるのが, 理科教員と養護教諭の連携である。ところが, 両者の養成カリキュラムには教職を意識した学習・交流の機会は皆無であり, このため, 事故発生時の対応・連携について何の知識もないまま, 教員になっているのが現状である。そこで, この問題の解決を目指して理科教員と養護教諭の志望学生が共に学ぶ合同のロールプレイ演習教材を開発を進める。 現在までの成果に基づき、今後新たに理科以外の教科に活用できる授業開発を行い、卒業前に教員志望学生の実践力を高めるために開講されている教職実践演習の実質化に資する授業およびカリキュラムの開発を目指す。本実践では, 時間の都合から, 生徒役を設定しなかったため「生徒からの聞き取り」をロールプレイすることはなかった。実際の学校現場では, 生徒がいないという状況はないため, 本教材においてもまだまだ工夫の余地がある。また, ミドルリーダーに対する若手教員育成トレーニングという観点も加味し, 教職大学院の現職教員の管理職としての学びも加えることで, より学校現場の実情に近いコミュニケーション力育成ロールプレイを設計することが出来るのではないかと考える。これらを踏まえて, 今後は, 教職実践演習など, 教職に就く直前の必修授業での活用を目指す。 教員養成開発センター教員及び附属学校教員とともに今後の研究方針に関し検討した結果、保健体育、家庭科、技術の授業が開発対象候補として挙げられている。このため本申請成果をもとに次期研究費申請を行う。
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