Project/Area Number |
20K20843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
渡邊 弥生 法政大学, 文学部, 教授 (00210956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 美香 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50312806)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 社会情動的スキル / 感情リテラシー / 感情コンピテンス / 発達 / 声 / 表情 / 仕草 / 感情理解 / 感情推測 / ノンバーバル / ソーシャルエモーショナラーニング / パラ言語 / ソーシャルスキル / ノンバーバル言語 / ソーシャルエモーショナルラーニング |
Outline of Research at the Start |
いじめ、不登校などの対人関係の問題や学力不振などの背景に、子どもたちの感情面の弱さや未熟さが指摘されている。そのため、ソーシャルエモーショナルラーニングや社会情動スキルの向上を目指す新しい教育実践が求められている。しかし、教育実践を導入するにあたって、教育目標や内容の妥当性を裏付ける感情リテラシーの発達アウトラインが明らかにされていない。本研究では、他者とのコミュニケーションに必要な、声や話し方、表情というノンバーバル行動を通して、子どもたちがどのように感情理解リテラシーの発達を探索的に明らかにするとともに、リテラシーの育成を目的とした教育支援のあり方を探求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
幼児期から児童期の子どもたちを対象に同世代の子どもたちの「表情」, 「声」, 「仕草」からの感情理解の発達過程を明らかにするために作成した実験ツールの妥当性を検討した。社会情動スキルの重要性が指摘され, そうしたスキルを伸ばす関わりが求められているが, そもそも子どものこの社会情動スキルの発達について解明されていない。他者理解において欠かせない 相手の「表情」「声」「仕草(動画)」についてどこまで理解ができるのかを明らかにすることが求められる。そこで 同世代の子どもから実験刺激を作成することとした。プロの小学生の子役を対象に, 同じ「わぁー」という音声を発するに妥当と考えられる6つの感情(喜び, 怒り, 嫌悪, 驚き, 悲しみ, 恐怖)が喚起される場面を設定し, 演技してもらった。撮影・収録方法は, モデルの外観は髪の色は黒とし, 顔全体が見えるように統制した。感情表情刺激は肩から頭部全体が入るように, 感情仕草刺激では腰から頭部全体が入るように撮影した。服装は男児女児ともにジーンズと黄色の半そでTシャツを着用して撮影を行った。撮影器具は, 感情表情刺激と感情仕草刺激の撮影にはカメラ(Sony FX6)を1台と照明(Litepanels Astra 6X Bi-Color LED Panel)を2台使用した。カメラの画素数はフルHDで1920×1080pixelであった。感情音声刺激の収録にはマイク(SHURE SM63L)を1台使用した。その上で作成した「表情」, 「声」, 「仕草」の刺激が狙い通りの感情を表現できているか, その妥当性を確認するために, 幼稚園児を対象に集団で予備研究を行った。その結果、6つの感情表現以外の「疲れた」といった表現が用いられるなど, 基本感情そのものの捉え方に多様性がある可能性があった。さらに, 得られたデータを詳細に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロの子役を対象に, 表情, 声, 仕草などの刺激をプロのカメラマンによって撮影し、刺激材料として作成できたことは、これまで日本の子どもを対象としたデーターベースがなかったことを考えると画期的である。計画通り, この刺激の妥当性を明らかにするために幼児を対象とした予備調査を実施し, 幼児でも材料の全てに集中して反応できることや, 何らかの感情を表現できる可能性も明らかにすることができた。一部成果として発表することもできた。小学生以降の調査について検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
事前に学校園の教員及び保護者に対し,本研究の説明書と同意書を配布し, 口頭と文面で説明を行い, 同意を得た後調査を開始する。これについては既に倫理審査で承認されている。調査は集団形式で実施する。参加協力者を一か所に集め,子どもたちが落ち着いたら, 研究者が「これから男の子と女の子の写真や声, ビデオをいくつか見せます。そこに出てくる男の子や女の子がどんな気持ちかわかった人は大きな声で教えてください。」と教示する。刺激材料は感情表情刺激, 感情音声刺激, 感情仕草刺激の順で提示し, すべての刺激はランダム化して提示する予定である。各刺激について, 参加協力者の回答が済むまで回答時間を取る。同時に園児や児童の回答はICレコーダーで記録するとともに, 自由記述形式で記録を行う計画を検討している。参加協力者については, まずは子どもと比較するために大学生を対象として実施するとともに, できるだけ横断的にデータを収集したい。特別支援においても検討し, 社会情動的スキルの発達の特徴を明らかにすることを検討する予定である。
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