Project/Area Number |
20K20877
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 11:Algebra, geometry, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 晃史 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (10211848)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 箙 / 変異 / 分配関数 / 三角圏 / クラスター代数 / 不変量 / 箙変異 / 分配級数 / 量子不変量 / ペンタゴン関係式 / 指標公式 / 量子ダイログ / 幾何学 / 量子化 / 双対性 / 低次元トポロジー |
Outline of Research at the Start |
1990 年代以降,弦理論や超対称ゲージ理論の双対性が相次いで発見され,それはミラー対称性・箙多様体のコホモロジー環の保型性・幾何学的ラングランズ対応など、数学的にも極めて非自明かつ豊かな予想へと繋がっている。このような数学的に見ても深い予想がなぜ物理学からもたらされるのだろうか?本研究は,物理にあって数学にはない「量子化や双対性」に隠された秘密を解明することを目的とする。より具体的には,物理学で何気なく使われる量子化や双対性という概念が、そもそも数学的には何を意味するのかを、幾何的(大域的) かつ普遍的(圏論的)に定式化し、基本的な性質を明らかにすることにある。
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Outline of Annual Research Achievements |
箙(quiver)とその変異(mutation)は,クラスター代数とともに,可積分系・低次元トポロジー・表現論・代数幾何学・WKB 解析などさまざまな分野に共通して現れる構造として注目を集めている.特に,箙の変異列 (mutation sequence) から系統的にゲージ理論や3次元双曲多様体を構成する方法が提唱され,その不変量を数学的に厳密に解析する手段の開発が必要となった. 加藤は寺嶋郁二氏(東京工業大学)との共同研究において、与えられた箙変異の列 γ (quiver mutation loop = クラスター代数の exchange graph 上のループに相当)に対し、分配 q 級数 Z(γ) と呼ばれる母関数を定義したがこの考え方は、quiver mutation loop のような周期境界条件ではなく、初期条件のみを指定した有限区間 (quiver mutation sequence) に対しても適用可能である。この場合は終状態に対する自由端条件を表すために、 c-vector で次数付けされた非可換トーラスに値を持つ関数として考えるのが自然である。加藤は、寺嶋郁二氏と水野勇磨氏(ともに東京工業大学)との共同研究において、Boltzmann weight を q 二項係数とする分配関数(partition function)を導入し、その性質を調べた。この分配関数は、実は引数の異なる2つの分配 q 級数の比として書けることが証明できる。その結果、分配関数もまた分配 q 級数が持つ様々な良い性質を引き継いでいる。たとえば、 q 二項係数が満たす Stanley の関係式は、分配 q 級数がペンタゴン関係式を満たすことの帰結として導くことができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今までの分配級数の考え方を3次元多様体の理想単体分割に適用する場合,branching と呼ばれるデータの載せ方次第ではうまく位相的な不変量が定義されないことがわかった。すなわち,Pachner 2-3 move は位相的な理想単体分割においては常に定義可能だが,これに branching の情報を載せた構造に対しては,move の前後で branching が存在できなかったり,不定性が生じることがあり,位相不変量として矛盾なく定義できる保証が得られないことがわかり,その解決法を模索している.
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Strategy for Future Research Activity |
今までの分配級数の考え方を3次元多様体の理想単体分割に適用する場合,branching と呼ばれるデータを用いることは cluster 代数との相性の観点から非常に有用であるが,上記のような困難を抱えていることも明らかになった.この困難の解決を目指してかなり苦労を続けてきたが,最近になって,Hopf 代数における(余)積分をうまく活用し,各理想単体に「branching に応じた」 Hopf 代数の element をうまく対応させ,かつ,Boltzmann 重率に対する冪根による補正をうまく取り入れることで,こうした困難を回避できる見通しが立ってきた。
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