Development of three-dimensional measurement method of velocity distribution function by using ghost imaging absorption spectroscopy
Project/Area Number |
20K20914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 14:Plasma science and related fields
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
荒巻 光利 日本大学, 生産工学部, 教授 (50335072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 哲靖 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60203890)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ゴーストイメージング / 吸収分光法 / プラズマ分光 / シングルピクセルイメージング / 構造化照明 / 吸収分光 |
Outline of Research at the Start |
吸収分光法は科学研究における重要な測定法の1つとして確立しているが,光の伝播路で 積分された情報しか得られないという大きな欠点がある.本研究では,情報ホトニクスの 分野で開発されたゴーストイメージングが構造化照明と受光信号の相関を利用しているこ とに着目し,構造化照明の結像面に相関を局在化させることで吸収分光に3次元の空間分解能を持たせるとともに,再結合プラズマの3次元構造測定へと応用することを目的としている.このゴーストイメージング吸収分光法が確立されれば,従来の吸収分光法の弱点を克服し,プラズマ全体にわたる大きな3次元構造を容易に観測することが可能となる.
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Outline of Annual Research Achievements |
光の吸収から物質の濃度を得る吸収分光法はプラズマに限らず,さまざまな分野において簡便な測定法として用いられている.一方で,吸収分光法は光の伝播路で積分された情報しか得られないという大きな欠点がある.本研究では光の伝搬方向に空間分解能を有するゴーストイメージング吸収分光法を提案している. 今年度は,開発したゴーストイメージング吸収分光システムを高密度ヘリコン波プラズマ実験装置に適用した.プラズマは13.56MHz,500Wの高周波電力をヘリカルアンテナに印加することで生成されている.ガス種はヘリウムで,磁場配位は約600Gで一様とした.準安定ヘリウム原子の1083nmの遷移による吸収を測定する.このため,構造化照明を生成するための光源は1083nmのDFBレーザーに変更した.ここでは,DFBレーザーの波長を吸収係数が大きい276.73THz(1083.32nm)に固定して,ゴーストイメージング吸収分光測定を行った.コイル間隔が狭いためDMDに入射する照明光学系は折り曲げた配位で構成されている.ヘリコン波プラズマ装置の下流に設置された終端板近傍で準安定ヘリウム原子の空間分布を可視化するため,17mm×27 mmの構造化照明を結像させた.プラズマの有無で透過光強度分布を測定して吸収率の空間分布を得る.その結果,終端板直前では吸収率が低く,プラズマ上流に向かって増加する吸収率分布が観測された.このことは,装置上流でプラズマ密度が高く,終端板表面で消滅するプラズマの分布と整合性のある結果であり,ゴーストイメージング吸収分光法によって準安定ヘリウム原子の分布が可視化できることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度および2021年度にゴーストイメージング吸収分光の測定系を構築し,模擬吸収体を用いた原理実証実験を実施した.これにより,ゴーストイメージング吸収分光法が視線方向の空間分解能を持つことを示した.また,再結合プラズマ生成を目的とした高密度ヘリコン波プラズマ装置も開発した.2022年度はゴーストイメージング吸収分光測定系の高速化,ヘリコン波プラズマへのゴーストイメージング吸収分光法の適用実験および画像化アルゴリズムの検討を行った. 2021年度に原理実証実験を行ったシステムではLabViewによる制御を行っていたが,LabViewの仕様では最大2GBまでのメモリにしかアクセスできないため,測定に使用する構造化照明のパターンを複数回に分けてDMDに転送する必要があり長時間を要していた.今年度,Pythonによる制御プログラムへ移行することでメモリサイズの制限を受けずに高速なデータ転送が可能となった.また,Pythonによりバイナリ形式での画像転送が可能となったため,測定に使う構造化照明の生成時間も大幅に短縮された.また,DMDに搭載されているメモリを増設し,10万枚の構造化照明が利用できるようシステムをアップデートした.開発したゴーストイメージング吸収分光システムを,高密度ヘリコン波プラズマ実験装置に適用した.ガス種はヘリウムで,磁場配位は約600Gで一様とした.準安定ヘリウム原子を測定するため,光源は1083nmのDFBレーザーに変更した.ヘリコン波プラズマ装置の下流に設置された終端板近傍で測定し,プラズマの分布と整合性のある吸収率分布が得られており,ゴーストイメージング吸収分光法によって準安定ヘリウム原子の分布が可視化できることを示した.このほか,DGI, BGI,NGIといった画像化アルゴリズムの適用を検討した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までに,結像系を組み込んだゴーストイメージングシステムを新たに構築し,視線方向の空間分解能の実証とプラズマ中の準安定ヘリウム原子密度分布の可視化まで行った.一方で2022年度中旬にヘリコン波プラズマ装置で使用していた3kWの高周波電源が故障したため,低出力(500W以下)の高周波電源を用いて研究を進めてきた.2023年度は修理が完了した高出力の高周波電源を用いて高密度プラズマに対するゴーストイメージング吸収分光測定を行う.また,視線方向の空間分解能の定量的な評価,再構成画像のコントラストを向上させるための光学系の開発,プラズマのような透過率分布のコントラストが低く,空間的にも広がりを持つ測定対象の可視化に適した画像再構成アルゴリズムの開発も今後の課題である.
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)