Project/Area Number |
20K21573
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 52:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (90212761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 教授 (90397547)
美馬 達哉 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (20324618)
松橋 眞生 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40456885)
荒川 芳輝 京都大学, 医学研究科, 講師 (20378649)
人見 健文 京都大学, 医学研究科, 講師 (50402904)
宇佐美 清英 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20829204)
山尾 幸広 京都大学, 医学研究科, 助教 (90736810)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 片頭痛 / アストロサイト / wide-band EEG / EEG-fMRI / 頭痛 / グリア細胞 |
Outline of Research at the Start |
高い有病率と生活に与える影響のため重要な内科疾患の一つである片頭痛は病態生理が未解明であり,客観的バイオマーカーも存在しない.本研究では,専門医が詳細に病歴を明らかにし確定診断した片頭痛患者において,検査技術が未開拓であったため見逃されてきたと考えられる,緩電位変化を含む,脳活動を形作るプレイヤーたちの相互作用(グリア,ニューロン,脳血流変化)を感度高く捉える,A.高周波帯域脳波,B.脳波-機能MRI同時記録を含む画像の検査を行う.解析結果と病歴との相関を解析し,ヒト片頭痛の病態生理に迫るとともに,日常診療で利用可能な神経生理学的バイオマーカーの探索とそれらに基づく片頭痛診療の発展を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
(研究の具体的内容) 成果1:広域周波帯脳波(wide-band EEG): 前兆のある片頭痛(MA)、前兆のない片頭痛(MO)と頭痛専門医が確定診断し、臨床上の必要から脳波検査を施行した144人の患者で、患者の臨床上のプロファイルとそれらの脳波解析結果(脳波通常判読で用いる時定数0.3秒、および緩電位を捉える時定数2秒を用いた判読)との関連を解析した。その結果、①MA/MO両者で、間欠的デルタ徐波がみられ、年齢依存性に出現部位が後頭部・側頭部と異なっていること、②有症状期や家族歴のある患者群で、それぞれ発作間欠期、家族歴のない患者群に比し、後頭部に緩電位(1Hz未満の徐波でアストロサイト活動との関連が示唆される)が検出されることを見出した。本成果は徐波と緩電位脳波が片頭痛の病態のマーカーとなる可能性を示唆しており、論文を作成し投稿段階となった。成果2:運動症状を伴う重症型の片麻痺性片頭痛(HM)ではMA/MOと比較し脳波異常の頻度が高いことを見出し、国内学会で報告した。成果3:脳波-機能的MRI同時記録(EEG-fMRI): 上記の脳波変化の脳内起源を深部を含めて明らかにし、さらに症状の側方性との関連を考察するために、脳波異常を伴うHMの6人の患者から同意を得て記録し、解析を行った。 (研究の意義・重要性) 片頭痛の疾患バイオマーカーとしての脳波異常の意義を緩電位の新しい視点から抽出してまとめ、片頭痛と類似のCSD(皮質拡散脱分極)関連脳神経疾患への応用の可能性の礎となる知見を得た。さらに片頭痛の特殊型であるHMに着目して、片頭痛との神経生理学的相違を明らかにし、神経徴候と脳波変化の起源を探るEEG-fMRIの臨床応用の道を展開することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Wide-band EEGを用いた片頭痛脳波研究に関しては論文作成を済ませ、現在国際専門誌に投稿中である。昨年度末に実際の患者においての記録準備が終了したEEG-fMRI研究では、 順調に記録ができており、解析も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
Wide-band EEGに関しては、MA/MOの脳波変化についての論文のアクセプトを目指し、内外に成果を広める。また、フォローアップ、および徐波以外のデータ解析、あるいは本データを二次利用した研究を検討する。HMやEEG-fMRIに関してはさらに症例の蓄積と解析手法の改善を図っていく。
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