Project/Area Number |
20K21979
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0102:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Sophia University (2022-2023) National Institute for Japanese Language and Linguistics (2020-2021) |
Principal Investigator |
守本 真帆 上智大学, 理工学部, 研究員 (70876200)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 流音 / 調音音声学 / 超音波 / 第二言語習得 / 日本語 / 英語 / 音声学 / 動作の複雑性 / 母語の調音動作 / 第二言語における調音動作 / 第二言語の調音動作 / 調音 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、日本語母語話者による日本語と英語の流音の発音における調音動作を測定し分析し、母語にはない音声の習得過程に対して、母語にある類似した音声の調音動作傾向が与える影響を明らかにすることである。本研究では、周辺母音環境・音節位置・個人の調音動作傾向に留意しながら日本語の/r/音の調音実態について音声実験を通して明らかにするとともに、それがもちうる英語の/l, r/音の習得過程との関係の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は前年度に収集したデータの分析を継続し、その結果に基づき新たな発話実験を実施した。特に下記の3つの側面において実験・分析手法の検討を行い、日本語の/r/音の調音の実態に関する調査を進めた。
(1) /r/音の周辺音韻環境:/r/の発音は周辺の音韻環境の影響を受けやすいため、その調音の特徴を観察するためには実験の発話内容を工夫する必要がある。令和5年度は、前年度に検討した撥音/N/に後続する/r/に加え、複数の母音環境における発話を記録し/r/と/d/や/n/などの類似した音の調音を比較した。 (2) 咬合面の記録:/r/の発音においては音韻環境による違いだけでなく話者の個人差も顕著であることが考えられる。超音波を用いた調音分析において話者間の比較をある程度可能にするため、各話者の咬合面を記録する工程を実験に導入した。 (3) ダイナミックな分析:前年度までの超音波を用いた調音動作の分析では/r/の発話時の特定のタイミングにおける舌の形状を抽出し比較したが、令和5年度の調査では複数の超音波画像における舌輪郭を自動的に抽出する手法を試みた。これにより、発音の開始時から終了時までの動作の変遷や違いをより効率的に分析することが可能となった。 これらの検討事項を盛り込んだ発話実験を行った結果、/r/と/r/に類似する子音/d/の発話では舌背の動作に違いがみられ、また前後の音韻環境からの影響の受け方にも違いがみられることが示唆された。今後はこれらの結果に基づいて引き続き日本語/r/音の調音実態の記述を継続するとともに、日本語母語話者による英語の/l/や/r/の調音についても調査を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
収集済みのデータの分析が遅れており、特に日本語を母語とする英語学習者のデータを分析する必要がある。また、これまでの調査の結果をふまえてさらなるデータ収集が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度はこれまでに収集したデータの分析を継続するとともに新たに調音データの収集・分析を行い日本語の/r/音の調音実態に関して考察を深めることができたが、日本語の調音データを英語のデータと比較分析するところまで到達しなかった。また、分析対象とする話者の人数が不足しており、個人差や英語習熟度を加味した分析が可能な段階には至っていない。
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