Project/Area Number |
20K21983
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0102:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
滝井 未来 滋賀大学, 教育学系, 講師 (40881595)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 留学生 / 大学 / 共同的実践 / 卒業後 / 社会参加 / 共同体 / 日本人学生との学び / キャリア形成 / 状況的学習論 |
Outline of Research at the Start |
大学における留学生への日本語教育は、彼らが大学卒業後に進みゆく社会への参加がリアルな現実のものとして想定された教育になっているとは言い難い。そこで本研究では、「留学生の卒業後の社会参加への道筋を日本語教育分野から構築する」ことを目的とする。そのために、①大学における「実践共同体(Community of Practice; Wenger, 1990)」で長期に渡り日本人学生と共に数多くのプロジェクトを遂行することで、学び、就職を果たした留学生へのインタビュー調査とデータ分析、②データから導かれた結果の概念図化の2点により、その有効性をエビデンスに基づき明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
【研究内容】 研究代表者が所属する大学の共創グローバル人材プログラム(GP)において実施する。GPでは、国際的な文脈で活躍できる優れた人材育成のために、留学生と日本人学生が実践的に共同で問題解決に取り組み、1つのプロジェクト(PJ)を遂行する教育体制をとっている。そこで彼らの「共同的実践」を調査対象として、以下の課題達成を目指す。 (1)PJの遂行課程を実態調査にて行う。 (2)PJ内容や具体的な学び、人間関係、将来像について留学生にインタビュー調査を実施する。 (3)調査から得た課題を日本語教育の実践に反映させて検証を行う。 (4)就職を果たした留学生に対して就職活動を含めた社会参加までの過程についてインタビュー調査と分析を実施する。 (5) (2)~(4)に基づき、PJ大学教育がどのようにキャリア形成へ繋げられたのかについて検証し、社会参加を見据えた大学日本語教育のモデルケースを作成する。 【研究成果】 本年度は(2)(3)(4)について実施した。(2)については、合計9名のデータを得ている。(3)については、研究代表者が主軸となって教育を行っており、これまでに得たデータを反映させて教育実践を行っている。(4)については、合計6名のデータを得ている。これまでの調査において、留学生が日本の社会参加を十分に果たすためには、学内の日本人との共同PJのみでは十分な機能は果たされていないこと、学生は学内授業と学外での様々な日本語使用場面は別のものと捉えていること、学外での留学生と日本人との交流の機会を積極的に作ることの必要性が明らかとなり、そのために交流会や学外イベントの場を設けた。そして、そのような場が教育現場へ循環し、社会と教育の場の往還関係を生み出すことが明らかとなった。次年度は、本年度実施したデータ分析を基に、キャリア形成へ、更には社会参加へと繋がる教育を具体化する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は計画していたインタビューの実施はすべて行えた。しかし、大学業務量の多さからデータをまとめ、分析するまでに至っていない。次年度はデータをまとめて分析を進め、課題(5)に着手することで挽回を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、(4)について、3名程度聞き取り調査を追加で実施し、(2)と(4)の分析を進める。そして、結果を(1)~(4)に反映させた総合的な分析と検証を行う。具体的には、実践共同体の中で、教育者側と学習者側はそれぞれ、何を「学び」として捉えているのか、教育の場ではどのような現象が起きているのか、といった事柄に焦点をあわせM-GTAにて分析を行う。 そして、(1)~(4)に基づき、実践共同体での学びをどのようにキャリア形成へと繋げ、更にはどのように社会参加へと繋げていくのかについて、大学日本語教育のモデルケースを作成し、それらを研究成果として示したい。
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