Indigenous movement in Uruguay
Project/Area Number |
20K22080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0106:Political science and related fields
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Research Institution | Ritsumeikan University (2021-2022) Nanzan University (2020) |
Principal Investigator |
中沢 知史 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (20882541)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | ラテンアメリカ / ウルグアイ / 先住民 / 脱植民地化 / セトラー・コロニアリズム / 歴史的記憶の回復 / チャルーア / 国家アイデンティティ / 植民地主義 / ジェノサイド / 可視化 / 白色国民国家 / 先住民運動 / 歴史的記憶 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、南米南部のウルグアイに焦点を当て、独立期の先住民虐殺を通じて「インディオのいない国」として構築された同国において近年可視化され始めた先住民運動を取り上げる。具体的には、チャルーア民族評議会(CONACHA)を事例として、文献調査と現地での調査を行う。歴史的記憶の回復を求めるCONACHAの活動を記述することを通じて、ウルグアイにおいて不可視化されてきた先住民の存在が立ち現れ、国民国家アイデンティティの根本的問い直しが起きていることを示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、引き続き渡航の機会がないなか、国内において主に理論面で本研究を補強する作業に注力した。具体的には、近年英語圏で台頭しているセトラー・コロニアリズム論(入植者植民地主義論)の文献をレビューした。そして、2022年度平和学会秋季研究集会において、「『インディオのいない国』ウルグアイにおける新しい人権課題としての先住民 ―セトラー・コロニアリズム論からの示唆―」と題して研究発表を行った(事前審査あり)。同発表では、ウルグアイを先住民という切り口で捉えることで、「インディオのいない白人の国」という支配的な国家像がゆらぐこと、そして、ウルグアイと先住民というテーマがラテンアメリカ地域研究の枠にとどまらず、北米やオセアニア、北東アジアや中東の事例との比較可能性に開かれていることを示唆した。 また2022年度は、刊行が遅れていた一般書『ウルグアイを知るための60章』が明石書店から出版され、同書に寄稿した複数の章のうち、「先住民」の章に本研究の成果を盛り込むことができた。ウルグアイに関する概説書は前例がなく、必ずしもアカデミアの枠にとどまらない広がりを有する商業出版のなかでウルグアイと先住民というテーマを扱い得たこと自体が本研究における「先住民の可視化」プロセスの一環であると自己評価している。爾後、学会や研究会、一般向けイベント等で同書に言及して関心を喚起し、研究成果の社会への還元に貢献しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、当初2020~21年度に遂行し完了する計画であった。しかし、コロナ禍により、予定していたウルグアイ現地での調査が実施できなかったことから、一カ年延長したものである。2022年度は渡航を計画していたが、燃油価格の急騰などの要因で航空券代が当初予算を大幅に超過し、他の使途を圧迫する事態となった。そこで、本年度は渡航を断念し、国内での研究に注力することとした。 また、コロナ禍で対面での研究活動も制限されていたことから、学会や研究会等の機会に公式・非公式なネットワーキングが困難な状況が続き、他の研究者からの刺激や有益な示唆を受ける機会が乏しかったことも影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画の2023年度までの延長が認められたため、23年度はこれまで叶わなかった現地での調査を行いたい。具体的には、23年8~9月そして/あるいは24年2~3月に渡航する計画である。23年は12年ぶりの国勢調査が行われ、ウルグアイ人の自己認識(民族・人種的出自の自覚)がどのように変化しているか、また変化していないかを定量的に把握できる重要な機会である。また、チャルーア民族評議会(CONACHA)ほか先住民運動の活動を現地で直接知る機会である。さらに、現地でしか入手できない資料を収集する予定である。 こうしたデータをもとに成果を論文や口頭発表のかたちで世に問う所存である。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)