Project/Area Number |
20K22233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Yamanashi Gakuin Junior College |
Principal Investigator |
高橋 沙希 山梨学院短期大学, その他部局等, 講師(移行) (60884533)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 養護教諭 / 戦後教育改革 / 教育学 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、養護教諭の制度に関する歴史的な研究を通して、教育学における養護の解明を行い、子どもの生命の維持に対し学校がいかなる役割を担ってきたのかを検討することである。 子どもの生存権が脅かされている現代だからこそ、子どもの身体をめぐって教育と養護をいかにして切り結んでいくのかは、重要な課題である。本研究が完成することによって、日本教育史研究においてマイナーな存在であった養護の歴史という新たな基盤を提供し、教育史研究ならびに教育学研究がこれまで見落としてきた課題を浮き彫りにできるだろう。
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Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画における2つの課題、すなわち、第一に、養護教諭が制度化された学校教育法の成立過程を明らかにすること、第二に、米国占領下の日本を知る手がかりとして重要な日本占領関係資料の収集を行い、その内容を明らかにすることのうち、前者の課題を中心にして研究を進めた。昨年度、米国占領下の1949年の教職員免許法により、必要となった教育指導者の講習(IFEL)について検討を行ったが、「養護教育」として開催された部会では養護教諭の成り立ちに関する記述が見当たらなかったため、今年度は、養護教諭の前身である養護訓導と密接であった「特殊教育」についての部会の資料を検討した。しかし、「特殊教育」部会では、養護教諭に関する記述はほとんどなく、戦前の養護訓導が身体虚弱児の養護を通して特殊教育の担い手になっていたことに鑑みると、戦後にその流れが途絶えた可能性を指摘することができる。また、これまでの研究成果を改めて見返したときに、注目すべきことは、養護教諭がなぜ「教諭」として成立しているのかということを端的に記した資料が見つかっていないことである。この点については、引き続き資料の収集を進める予定であるが、戦前にすでに「訓導」として国民学校令で制度化されていたことに鑑みると、戦後の混乱の中で、「教諭」としての意義が自明とされており、詳細な検討がなされていなかった可能性もある。この点については、次年度の課題とし、引き続き検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、研究代表者が育児休業から復帰し、10月から研究を再開したが、研究を進める期間が足りなかったため、特に時間を要する資料の収集が十分に行えなかった。そのため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、戦後の関係資料を収集するとともに、なぜ、「教諭」になったのかという点については、補足資料として戦前の資料も確認しながら、進めていきたい。また、国立教育政策研究所教育図書館が公開している戦後教育資料デジタルアーカイブの資料を再度見直し、養護教諭に関する記述がないかを確認していく。
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