日本生まれの「外国人」の継承語教育とオールドカマーの民族教育の接続
Project/Area Number |
20K22255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
薮田 直子 大阪成蹊大学, 教育学部, 講師 (00880105)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 継承語教育 / ニューカマー / 民族教育 / 地域教室 / ベトナムにルーツをもつ子ども / ベトナム語 / ベトナム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本生まれの外国にルーツのある子どもを対象にすえ、かれらの言語環境について検討するものである。現地生まれの子どもは言語や文化的適応が進んでいることで「問題がない」と見なされがちであるが、近年「継承語」の重要性が指摘されている。 継承語とは子どもが異言語で育つ際の親の言語のことを指し、それは子どもにとってコミュニケーション手段であると同時に、自己形成に関わる重要な要素でもある。また社会にとっては、かれらの多言語の可能性を捉えられるかという課題でもある。そこで本研究は、地域で長年取り組まれている外国にルーツをもつ子どもを対象とした継承語教育実践を事例として、その重要性を実証的に提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在日本には「外国にルーツを持つ子ども」と呼ばれる子どもたちが学び、暮らしているが、かれらの中には日本で生まれ育った2世以降の子どもたちもいる。 かれら「日本生まれの子どもたち」には、どのような教育や支援が必要だろうか。 カナダやオーストラリアなど移民国家では、移民の子どもたちをCLD(Culturally, Linguistically Diverse Students)と呼び、多言語の可能性を秘めた存在として捉える教育実践が充実している。しかし現在の日本の教育のシステムには「日本生まれの外国にルーツを持つ子ども」の独自性に着目する視点が抜け落ちてしまっている。そこで本研究は「継承語」を手掛かりに、かれらの言語教育を整理することを試みている。継承語は移民の親世代の言語のことで、かれらの学習上の言語能力を支えたり(学習言語獲得)、家庭内でのコミュニケーションの確保、自己アイデンティティの安定など多方面にわたって重要性が指摘されてきた。しかし、日本語を話す日本生まれの子どもたちは、学校や社会生活において「問題がない」とみなされ、かれらの教育課題が見えにくくなってしまっている。 そこで本研究は、地域で15年以上取り組まれている「継承語」教室を事例として取り上げ、質的データを収集している。既に2020年10月から2022年4月までで、計49回の調査を実施した。またこれまでの実践記録を丹念に見ることを通じて、多文化背景をもつ子どもたちにとっての地域言語教育の重要性を探っている。同時になぜこの実践が長年に渡り続いているのかということを解明するために、教室立ち上げ当初の地域スタッフや元公立学校教員に聞き取り調査を実施している。本研究課題の解明によって、日本における継承語教育の具体的な普及を目指すこと、加えて、ニューカマー外国人の適応教育の「その後」を考察することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、質的データ収集のためのフィールドワーク調査(現地での参加型観察調査)を31回実施した。また調査対象となっている学習教室(地域継承語教室)に以前参加していた、いわゆる卒業生へのインタビューを4件、加えて教室に子どもを通わせていた保護者のインタビューを2件実施することができた。これらの質的データは随時フィールドノーツ(観察記録)にまとめたり、聞き取り結果をインタビュースクリプトをまとめたりして、分析中である。 また2022年8月には「東アジア包括都市ネットワーク会議」にて実践報告を行った。 これらの理由より「おおむね順調に進展している」として進捗を報告する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、本研究課題の最終年度として位置付けている。新型コロナウィルス感染症のまん延の影響で進められていなかった対面でのインタビュー調査などを実施していく。また観察調査対象の教室の活動も、2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響から、活動休止することが何度かあったが、2022年度は一度も休止することがなかっため、2023年度も30回程度の実践記録や質的データを収集できることが見込まれる。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)