Project/Area Number |
20K23089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
蔀 佳奈子 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (70881449)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | SDT / 金属ナノクラスター / 口腔内細菌 / 抗菌的音響力学療法 / 活性酸素 / 歯周炎 |
Outline of Research at the Start |
音響力学療法(Sonodynamic Therapy: SDT)は音増感剤に超音波を照射することで生成する一重項酸素(強力な酸化力を持つ活性酸素)を利用したがん治療法として注目されている.他方,SDTでは一重項酸素の殺菌作用と歯科用超音波の併用による口腔バイオフィルム除去作用が期待され,簡便で効果的な歯周病治療法となると考えられる.本研究では超音波刺激により一重項酸素を生成する金ナノクラスターを音増感剤として使用し,超音波照射した場合の一重項酸素発生の検証,ならびに口腔内細菌への抗菌作用を明らかにする.さらにSDTによる歯周病治療法の確立を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,歯周病治療のため超音波スケーラーと金ナノクラスターを用いた抗菌的SDTの確立である.現在の歯周病治療では歯石やバイオフィルム除去に超音波スケーラーが頻用されているが,その目的は機械的除去であり,それ自体に殺菌効果はない.超音波スケーラーと音増感剤と併用したSDTでは,機械的なバイオフィルム破壊と同時に細菌を殺菌することができる.そのため従来の超音波スケーラーのみの治療と比較し,より高い治療効果が期待される.従来の金ナノクラスターが一重項酸素生成能を有していることは既にわかっているが保護材の変更,生成過程の変更,抗菌性物質を複合化することでより高効率での一重項酸素発生が期待できる.本年度は,超音波治療用装置(US PRO 2000 2ndEDITION)をディッシュ底部から照射しマイクロバブルが発生することを確認.Streptococcus mutansを用いた抗菌効果の検討を濁度測定により行った.本実験において使用した超音波治療用装置はその形状から歯周病治療への応用は難しい.しかしながら,歯科用超音波スケーラーよりも周波数の低い超音波治療用装置においてもある程度の抗菌活性が得られることが分かった. より実際の臨床と類似した環境で試験を行うため,歯科用超音波スケーラーによるマイクロバブル生成を確認し,今後は抗菌試験等による評価と一重項酸素生成の測定を実施する.高周波数での高効率の一重項酸素の生成と抗菌活性が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
他業務の増加による研究課題にかけられる時間の不足があった。また、バイオフィルムへの効果を検証する計画であったがバイオフィルムの生成が得られず実験手法の変更が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
歯科用超音波装置を用いて,口腔内細菌に対する抗菌活性の評価および,細胞毒性評価を行う.評価は培養試験と形態学的分析によって行う. また,使用器材の関連で本学実験室での実施が困難だった細胞実験に関して学外施設の使用を申請中である.in vitroで殺菌効果と生体安全性について十分な結果が得られたら、動物によるin vivo評価を行う。
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