脊髄損傷後の呼吸筋支配運動ニューロンの可塑的変化にリハビリテーションが与える効果
Project/Area Number |
20K23257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0909:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
河村 健太 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (00875742)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 横隔神経運動ニューロン / 頸髄損傷 / リハビリテーション / 横隔神経 / 運動ニューロン / 呼吸筋トレーニング |
Outline of Research at the Start |
高位頸髄損傷患者は呼吸機能が障害を受け,肺炎などの呼吸器合併症の発生が問題となる。リハビリテーションでは呼吸機能改善を目的として呼吸筋トレーニングを実施するが,患者によって損傷高位や損傷程度が様々なこともあり,頸髄損傷患者に対する呼吸筋トレーニングのエビデンスは十分に確立されていない。そこで,本研究では頸髄半切除モデルラットに呼吸筋トレーニング介入を行い,横隔神経運動ニューロンの形態学的特徴の変化を明らかにする。呼吸筋トレーニングによる中枢神経回復メカニズムの解明と効果的な呼吸筋トレーニングを確立をに向けた一助となる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では頸髄損傷モデルを作成して受傷早期から呼吸筋トレーニングを実施することで、横隔神経運動ニューロンの形態学的特徴がどのように変化するかを解析することを目的としている。2020年度の研究では頸髄損傷モデルと運動ニューロンの染色方法の確立を行った。2021年度には確立したモデルと染色手法をもとに、頸髄損傷モデルの作成からトレーニング群とコントロール群に分けて介入し、呼吸機能と横隔神経運動ニューロンの形態学的特徴の違いを観察した。2022年度はサンプル数の増加に加えて、トレーニング単独の効果を調べるために、頸髄損傷の偽手術群を設けて検討した。 ラットは頸髄損傷モデル作成後3日経過し、十分に回復していることを確認してトレーニングを実施した。トレーニングはチャンバー内に高二酸化炭素の混合ガスを投与して過換気状態にすることで行った。週に4回から5回の頻度で3週間実施した。頸髄損傷から3週間経過後、左横隔神経を露出してその断端をHorseradish peroxidase(HRP)に浸すことで取り込ませ、2日間の生存期間をおいた後に灌流固定した。潅流固定後は凍結切片で連続切片を作成し、TetramethylbenzidineにてHRPを発色させた。運動ニューロンは光学顕微鏡にて切片を観察し、解析ソフトによって外周にあてはまる楕円の長短径、断面積、推定表面積を解析した。 頸髄損傷群、頸髄損傷+トレーニング群、偽手術群、偽手術+トレーニング群を比較するとサイズの形態学的データはすべて頸髄損傷群のみで有意に縮小していることが明らかになった。これらの結果から頸髄損傷後の呼吸トレーニングは横隔神経運動ニューロンの縮小を抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
トレーニング単独の効果を見るために群を追加したため遅延している。また、一時、コロナウイルス感染症対策による実験の制限や一部物品の納品が遅れたため遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究成果を論文掲載することを目標とする。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)