Program evaluation of labor and family policies in the aging society
Project/Area Number |
20KK0032
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 7:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 大司 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (80346139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 恵介 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (40622345)
深井 太洋 筑波大学, 人文社会系, 助教 (50828803)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2020: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | 少子化 / 家族政策 / 政策評価 / Employment / Immigration / Technology / Family Formation / Program Evaluation |
Outline of Research at the Start |
先進各国では人口の高齢化が進行しつつあり、いわゆる生産年齢層と呼ばれる20-64歳の人口が総人口に占める比率が低下しつつある。この研究計画では移民政策、家族政策、技術政策の3つの政策対応に焦点を当て、それぞれの政策が労働力不足解消に向けてどのような効果を上げてきたのかを量的・質的な側面の双方からドイツと日本のマイクロデータを用いて評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画においては、我が国の人口減少と高齢化が労働市場に与える影響を分析することを目標としている。その中で、育児休業制度や保育所の整備といった家族政策が女性の働き方に対して与えた影響を分析した。 とりわけ、家族政策が形成されたスキルの利用に与える影響に着目して分析を行った。女性のスキルが高くても有効に活用されないのならば、労働市場における男女差は解消しないと考えられるためだ。 このような問題意識のもと、OECDが作成しているPIAACと呼ばれる調査を分析した。この調査は成人が持つスキルとともにスキルの利用についても明らかにできる点がユニークだ。例えば、読解力について、国語の試験問題を解かせることで明らかにする一方で、読解力を仕事でどの程度使っているかを、メールを書く頻度、新聞を読む頻度、専門雑誌を読む頻度などを聞くことで明らかにしている。これらの質問項目から読解力と読解力利用の指標を計算し、さらにその男女差を国別に計算した。 分析の結果、読解力の男女差は各国においてそれほど大きくないものの、読解力利用の男女差は国の間の差異が大きいことが明らかになった。読解力利用の国際的な差異を説明するため、育児休業の期間や所得代替率の大きさで説明をしたところ、充実した育児休業政策を持つ国々では読解力利用の男女差が大きいことが明らかになった。これは、充実した育児休業政策が女性に長期の育児休業を取ることを促し、そのことが男女のキャリア差を生み出すためだと考えられる。税制の差やジェンダー規範の国際的な違いを制御しても、育児休業の効果は変わらず、得られた結果は頑健な結果であるといえる。この論文はLabour Economics誌に査読を経て掲載された。 このほかにドイツの行政データを用いた所得格差の分析も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育児休業制度が女性のキャリア形成に与える影響を分析するという目標を達成するため、スキル利用の測定指標を開発し、さらにそれが育児休業政策とどのような関係を持っているかを明らかにし、国際査読誌に出版することができた。 その一方で、育児休業政策の評価に関する論文の出版プロセスに予想以上に時間がかかり、移民政策の影響評価などは計画通りに進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
少子高齢化の更なる進行によって労働市場がどのような影響を受けるのか、過去の経験をたどりながら、的確な分析を続けていきたいと考えている。当初予定していた移民政策に関しては、日本においては特定技能制度の導入など政策の転換をむかえている。この政策の評価を行うことが重要だと考えている。また、ロボットや人工知能といった自動化技術の導入も重要な対応策であるため、自動化技術の導入が労働市場に与える影響についても分析を行っていきたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(23 results)