Project/Area Number |
20KK0057
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 12:Analysis, applied mathematics, and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡部 真也 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70435973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋詰 雅斗 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (20836712)
猪奥 倫左 東北大学, 理学研究科, 准教授 (50624607)
小野寺 有紹 東京工業大学, 理学院, 准教授 (70614999)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 偏微分方程式論 / 変分法 / 調和解析 / 幾何解析 |
Outline of Research at the Start |
赤血球などの生体膜の形態形成や薄膜の結晶成長の一つである epitaxial growth など, 膜に関わる数理モデルは四階楕円型・放物型方程式によって記述される. 楕円型・放物型方程式に対する数学的研究は, 二階の場合に多彩な研究が行われている一方で, 四階の場合には比較原理などの強力な解析手法が一般に破綻することを一因として, 未だ発展の途上にある. 本研究では, フーリエ球対称化を基にした調和解析的手法の開発, 幾何学的高階変分問題の幾何構造を活用した研究成果の蓄積を研究計画の柱に据え, 調和解析と幾何解析の協働による高階楕円型・放物型方程式に対する新たな解析手法構築を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は日本側の研究グループ(代表者:岡部、分担者:猪奥、小野寺、橋詰)とドイツ側の研究グループ(Grunau、 Dall'Acqua、Deckelnick、Pozzi)による共同研究を行う形式によって実施する。本研究計画の柱の一つであるフーリエ球対称化などの調和解析に基づく解析手法の開発は日本グループがドイツグループに先駆けて提案することを目指す。一方、もう一つの柱である種々の幾何学的高階変分問題に対する幾何構造を用いた研究についてはドイツ側の研究グループが研究拠点の一つを形成している。これら二つの柱に関わる研究課題は多岐に渡るが、本研究計画ではそれらを同時並行的に進展させることを目指してグループ対グループの共同研究を実施するものである。なお、本研究計画が進展するなかで関連する研究として派生した国際共同研究についても、内容に応じて本研究計画に加えていくことを検討する。
日本側研究グループにおいて、調和解析を用いた解析手法の開発に向けて研究打ち合わせを集中的に実施した。その中で、前年度に引き続き、三宅庸仁氏(東京大学、学振PD)を研究協力者として加え、多岐にわたる議論を実施した。その結果、具体的な研究課題を複数発見するに至り、現在はその解析を進めているところである。一方、幾何学的変分問題については、岡部とGrunau氏によるDirichlet境界条件下における回転弾性膜に対する障害物問題について、可解となるための障害物の高さの適切性について研究を実施し、一定の成果を得た。現在、学術誌に投稿すべく論文として纏めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始初年度から続くコロナ禍の影響により、国内での研究打合せやドイツ側研究グループを訪問するための海外渡航が制限されたことは否めない。しかしながら、岡部とGrunau氏による論文が学術誌に掲載されるとともに、現在はその結果の最適性を与えるべく研究を進めている。加えて岡部はDall'Acqua氏らとも幾何学的変分問題に関する研究を展開しており、幾何学的変分問題については研究計画に沿った進展を見せている。一方、もう一つの柱である調和解析的手法の開発については、当該年度において日本側グループによる集中的な研究打ち合わせにより、具体的な研究課題を複数発見し、現在その解析に取り組んでいるところである。以上の状況をふまえて、本研究計画はおおむね順調に進展しているものと判断した次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、代表者岡部は幾何解析の側面からドイツ側研究グループとの共同研究を当初の研究計画に沿って引き続き実施する。本研究計画におけるもう一つの柱である高階楕円型・放物型方程式に対するフーリエ球対称化に基づく調和解析的解析手法の開発については、設定した複数の課題に対して、日本側研究グループ内で構成した複数の研究グループにより同時並行的に研究を実施する。その進捗をふまえて、本研究計画の最終年度にかけてドイツ側研究グループを複数回訪問し共同研究を展開することによって、本研究計画の目的達成を目指す。なお、状況によっては共同研究を行う相手先の枠を拡大するとともに、各個人が相手先を訪問する、日本へと招聘し集中的な研究討論を実施する、などして柔軟に対応することによって本研究計画の進度を加速させることも目指す。
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