Project/Area Number |
20KK0061
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
徳永 陽 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, リーダー (00354902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 大 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30359541)
常盤 欣文 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (30737458)
北川 俊作 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50722211)
藤森 伸一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (70343936)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | スピン三重項超伝導 / 強磁性超伝導 / ウラン化合物 / 超伝導多重相 / 磁場誘起超伝導 / ウラン系超伝導体 / 純良単結晶育成 / 強相関電子系 / 純良単結晶 / トポロジカル超伝導 |
Outline of Research at the Start |
核燃料としての応用が知られるウランは, 次世代超伝導の基礎研究においても極めて重要な戦略元素である. ウランを含む化合物では, 強磁性超伝導, 磁場誘起超伝導, 超伝導多重相など, 新奇な超伝導現象が次々と発見されており, その背景には従来の超伝導とは異なる, スピン三重項超伝導という新しい超伝導の物理が広がっている. 本研究では主に研究代表者及び研究分担者が, 海外の先端実験施設においてスピン三重項超伝導体の実験研究を実施する. 試料の相互提供を軸とした新たな共同研究の枠組みを確立することで, スピン三重項超伝導の機構解明に向けた国際研究を加速させる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 強磁性超伝導, 磁場誘起超伝導, 超伝導多重相など, ウラン化合物において相次いで発見されている新奇な超伝導現象を研究対象としている。これらの新奇超伝導の背景には従来の超伝導とは異なる, スピン三重項超伝導という新しい超伝導の物理が広がっている。本研究は試料の相互提供を軸とした新たな共同研究の枠組みを確立することで, スピン三重項超伝導の機構解明に向けた国際研究を加速させることを目的としている。 研究の4年目となる令和5年度は, 新しいスピン三重項超伝導体UTe2の研究がさらに発展した。令和4年度に塩フラックス法という新しい純良単結晶の育成法を見出した結果, 欠損のない純良な単結晶の育成を安定して行うことが可能となった。超伝導転移温度もこれまで最高の2.1Kに到達し, 同時に試料の純度を示す残留抵抗率比などの指標も従来のものに比べて桁違いに向上している。このような試料の純良化によって世界初の量子振動の観測に成功し, 初めてフェルミ面を実験的・理論的に明らかにすることに成功している。さらに磁場をb軸方向にかけた強磁場実験からは, 高磁場と低磁場の2つの超伝導が相が存在すること, さらに二つの超伝導相が混在した中間相が存在することを確認した。また強磁場電気抵抗測定も行い, 中間超伝導相, 及び高磁場超伝導相における異常なボルテックス状態を明らかにした。 さらに高磁場下でのNMR測定からは, 磁場印加に伴う物質内の磁気揺らぎの増大を捉えることに成功した。これは高磁場超伝導の起源が, 磁気揺らぎの増大に伴う超伝導対の引力の増大にあることを示すものである。この成果はPhysical Review Letters誌に掲載され, さらに注目論文にも選ばれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に結晶育成法の大きな改善があり, 超純良単結晶が育成可能となった。研究代表者及び分担者がその情報を共有し連携することで, 効果的に研究を進めることが出来ている。また強磁場実験に関しては24テスラまでの実験を, 東北大学金属材料研究所の強磁場施設で実施し, さらに高磁場下の実験をフランス国立強磁場研究所において実施している。その際に用いた単結晶試料はフランスCEA研究所において育成された。これらの国際共同研究の成果はPhysical Review Letters誌に掲載され, 注目論文にも選ばれた。 海外の共同研究先とは週1-2回程度の頻度でオンラインのセミナー及びミーティングを行い, 研究状況に関して綿密な情報交換を行なっており, 国際共著論文の執筆も効率よく行うことが出来ている。また本年6月には姫路市において国際ワークショップも主催し, 海外の共同研究者を招いて活発な議論と意見交換を行い, 今後の具体的な研究計画を定めることができた。 以上のことから本研究は, おおむね順調に進展している。と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の開始当初は, 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により海外実験施設を用いた実験が困難な時期が続いた。しかし昨年度以降, ようやく研究代表者及び研究分担者が現地に赴き, 海外実験を行うことが出来るようになってきた。その成果はすでに現れており, 本年度は国際共著論文として多くの成果を出版することができた。 今後も研究代表者及び研究分担者が積極的に海外に赴き, 最先端の実験施設を用いた実験を行う計画である。そのために必要な試料は現地の共同研究者によってすでに準備が進められている。この分野では世界トップクラスの高い競争力を持つ国際的な研究チームとして十分に機能しており, 今後もその活動をさらに継続させ発展させていく。
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