Project/Area Number |
20KK0077
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 17:Earth and planetary science and related fields
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
橋本 善孝 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (40346698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 洋平 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 副主任研究員 (80736091)
KARS MYRIAM 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 助教 (90725706)
小林 厚子 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 客員教授 (50557212)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 沈み込み帯 / 付加体 / 断層 / スロー地震 / 巨大地震 |
Outline of Research at the Start |
高速すべりの巨大地震と低速すべりのスロー地震といった多様なすべりが沈み込み帯に一般に見られ。一方、地質学的には、沈み込みプレート境界の変形を記録している陸上付加体、海洋付加体において、遅い延性変形と速い脆性変形が空間的に密接にあるいは散在的に発達していることが指摘されている。定量的な物理量が不明なため、その地球物理学的な観測との対応は未だ不明である。本研究では、地質学的に観察される延性変形断層および脆性変形断層から応力、歪、すべり速度といった物理量を定量し、地球物理学観測との対比を行う。さらに、遅い変形と速い変形が空間的関係から、沈み込みプレート境界の多様なすべりの相互作用を理解する。
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Outline of Annual Research Achievements |
地球物理学の分野では、スロー地震と巨大地震の相互作用に関する研究が進んでいる。地質学的物質科学では、変形の多様性、定性的なすべり速度、空間的な相互関係などが明らかとなっているが、地球物理学的な観測と結びつけることが必ずしもできていない。そこで本研究では、以下の2つを目的とする。一つは、海洋付加体、陸上付加体の多様な断層を対象に、過去の応力、歪、すべり速度等の物理量を物質科学的に徹底的に定量し、地球物理観測から得られた物理量と対比することで、両者を結びつけることである。2つ目は、これらの変形構造の空間的な関係を物理量とともに明らかにし、異なる速度の変形の空間的相互作用を明らかにすることである。 計画第3年度も、国内で可能な陸上付加体を対象とした研究を進めた。特に高知県白亜系四万十帯横波メランジュを対象に、1) 古地磁気および岩石時期学的手法による被熱温度の推定、2)化学的分析による岩石流体間反応と被熱温度の推定、及び3)定性的に遅い結晶塑性変形の歪速度の定量化を行った。 1)では断層帯に限って300-360˚Cのブロッキング温度が得られ、破砕帯が局所的に発熱していることが確定した。堆積岩の断層帯熱履歴を古地磁気学的に得たのは世界初のことである。国際誌に論文投稿済みである。2)では母岩に対して破砕帯が250-300˚C程度の発熱をしていること、Slip zoneが350-400˚Cの発熱をしており、異なる規模のすべりが共存していることを明らかにした。1)の温度とも概ね調和的である。3)ではEBSDで石英の結晶塑性変形を確実に認定し、300˚C程度の熱履歴を条件に石英の流動則から歪速度が-14乗オーダーであり、著しく遅いことを明らかにした。これは、プレート運動よりも遅く、スロー地震になり得ない。泥質基質のひずみを定量化する必要性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響で3年目もやはり外国人研究者との共同研究は叶わなかった。3回目接種後の帰国自由化ののちに先方との調整が困難であった。一方で陸上付加体での研究は考えていた以上の良い結果が出ており、この結果を元に今後の研究をより効果的に進めることが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は実際に外国に赴き、試料の準備方法の打ち合わせを行い、実際のひずみの微視的定量的測定の実現を目指す。すでに先方とは打ち合わせ済みである。昨年度までに得られた成果を元付いた試料の提供が可能となり、よりターゲットを絞った分析が可能となった。また、高知コアセンターに導入された微小領域磁力計のセットアップが不調で未だ分析ができる状態ではなかったが、今年度中に可動予定である。EBSDによる石英の結晶塑性変形の剪断方向、泥質基質の剪断方向、帯磁率異方性から推定される剪断方向を統合して、遅いひずみの定量化、変形機構とその運動像を明らかにしたいと考えている。
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