Project/Area Number |
20KK0096
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高根 雄也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80711952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野村 史穂 東京理科大学, 創域理工学部社会基盤工学科, 講師 (40822937)
仲吉 信人 東京理科大学, 創域理工学部社会基盤工学科, 准教授 (90706475)
中野 満寿男 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 副主任研究員 (40713954)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | 都市気候 / 屋根面アルベドデータベース / クールルーフ / 気候変動適応 / ヒートアイランド |
Outline of Research at the Start |
全球気候モデル(GCM)への精緻な都市パラメタリゼーションの導入は、確度の高い将来気候予測に不可欠であり、気候変動に対する適切な国策の選定にとっても非常に重要である。本プロジェクトは、都市気候シミュレーションに大きなインパクトを持つがデータ整備が全く進んでいない建物屋根面アルベドを非商用衛星データから算出するアルゴリズムを構築し、世界全都市の屋根面アルベドデータベースを整備する。さらに、データベースを用いた気候シミュレーションにより、屋根の高反射化による都市の気温低減ポテンシャルの算出、都市気温低減の費用対効果の評価手法構築、および都市の気温低減が全球の気候変動緩和に繋がるかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度に引き続きアルベドデータベース開発と数値モデル開発・整備を実施した。 アルベドデータベース開発では、米国コロラド大学デンバー校のビル屋上、屋外駐車場、およびいくつかの一般家屋屋根面のアルベド測定を実施した。2022年度に行った東京(早稲田周辺)での屋根面観測結果との比較分析により、既存のアルベド測定手法である4成分放射収支計、ハイパースペクトルメータ、マルチスペクトルカメラ(地上測定およびドローンによる上空測定)のセンサ間の不確実性の幅を明らかにした。東京の測定結果については査読付き論文として発表した。さらに、観測結果の分析とアルベド測定の文献レビューを通し、衛星データから超解像により屋根面アルベドを推定するための許容精度を定めた。個別の建物を対象にした場合は0.3-0.4、メソから全球気象モデルへの利用を想定した3次メッシュ解像度では0.1が妥当であることが分かった。以上の実測ベースの結果を国際学会で複数件発表した。 モデル開発・整備パートでは、2023年度に引き続き、都市気候モデルの統合陸域シミュレータ(ILS)への結合作業を行なった。ILSに関連する研究者と共同作業を実施し、ILSに都市気候モデルを結合した(結合したモデルをILS+Urbanと呼ぶ)。また、ILS+Urbanが全球0.5°解像度で年間での計算ができることを確認後、ILSのアップデートに合わせ、ILS+Urbanのバージョンも最新版にアップデートさせた。ここまでの内容を国際学会で発表した。現在、現実的な都市気候計算に向けてアルベドデータベース等のグローバルデータセットの入手とモデルへの入力整備に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では研究プロジェクト期間に3都市(日本、アメリカ、ヨーロッパ)でのアルベド測定を実施し、全球屋根面アルベドデータベースの構築、それを組み込む全球気候シミュレーションまで完成させている予定であった。ただし、コロナ禍で現地での測定ができなかった等の理由により以下の点で課題が残るため、研究期間を1年間延長した。 ・コロナ禍によりヨーロッパの都市での観測ができていない点、 ・屋根面アルベドデータベースの全球展開の目処はたったもののまだデータベース構築が完成していない点。
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Strategy for Future Research Activity |
アルベドデータベース開発パートでは、2024年度はヨーロッパの都市を対象とした屋根面アルベド測定を実施し、屋根面アルベドデータベースの全球展開を完成させる。 モデル開発・整備パートでは、より現実的な全球都市気候計算に向けて全球アルベドデータベース等のデータ入力を実施する。その後、過去・現在・未来の全球気候計算を行うとともに、開発されたアルベドデータベースを導入し、クールルーフの都市気候へのインパクトを全球的に評価する。
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