Project/Area Number |
20KK0097
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
有吉 慶介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), グループリーダー (20436075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 憲 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究センター), 主任研究員 (40421888)
麻生 達也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 研究プラットフォーム運用開発部門, 技術副主任 (30900310)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2020: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 海溝型巨大地震 / 海底地殻変動 / 黒潮・親潮 / 海洋観測 / 黒潮蛇行 / 南海トラフ / 海洋変動 |
Outline of Research at the Start |
海底地殻変動以外の外的擾乱が海底圧力計および間隙圧計に与える影響を定量的に評価するため、自動型無人潜水機(AUV)を用いた詳細な海底地形マッピングと、風力無人水上艇(Saildrone)を用いた海面高度および海面付近の水温・塩分の観測を実施する。それらの解析結果を用いて、海溝型巨大地震の震源域付近における海底地殻変動の検出を試みる。これらの観測技術開発および解析は、開発元である米国の研究機関と共同して実施する。これにより、国内独自で進めているAUV開発へのフィードバックを図ると共に、日米共同研究の連携をさらに加速・発展させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
無人高機能観測装置 (USV: Unmanned Surface Vehicle)の一つである、WG(ウェーブグライダー)に関するハワイ大学および米国海洋大気庁との共同研究成果として、熱帯西部太平洋暖水プール域における大気海洋相互作用の特徴について熱収支の観点から、熱帯太平洋ウォームプールの一時的な温暖化は混合層温度の太陽放射加熱に対する感度の上昇と関連していること、大気慣性重力波による風の強まりは上昇潜熱フラックスを高め、大雨の日周変動を引き起こすこと、対流圏下層の成層と風速の変化により、大気と海洋の変動の結合強度が変わることなどを明らかにした (Nagano et al., 2022 JGR)。 WG観測に関する国内研究へのフィードバックとして、独自に防水加工した湿度計および国内ベンチャー企業が開発したCTDセンサーをウェーブグライダーに搭載し、世界に先駆けて洋上観測として湿度および海水温・塩分の観測に成功した。これにより、暖水塊における熱収支フラックスを計算することに成功した (Nagano et al., 2022a)。 一方で、USV観測でカバーできる時空間範囲は限られており、他の観測データの利活用も必要となる。東北マリンプロジェクトの一環として、海水化学成分をキャンペーン式で継続的に観測した結果、一時期において溶存酸素濃度の低下がみられた。そこで、海底ケーブル式地震観測網(S-net)を用いた加速度計との相関をとると、最大加速度が大きい地震の発生後に限って低下することが立証された (Wakita et al., 2022)。このことは、生態系の影響変化を通じて海水密度が変わり得る可能性を示唆するものである。 また、スロー地震の伝播速度を摩擦特性との関係式として記述した (Ariyoshi 2022)。これにより、AUVで観測された地殻変動を補完することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際共著論文については出版1編、査読中1編となっており、テキサス大学オースティン校との共同研究も具体化して進んでいることなどから、概ね順調であると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
米国機関との共同研究をさらに加速させるべく、コロナ感染リスクが終息しつつある来年度には訪米を再開し、テキサス大学オースティン校に加え、米国地質調査所、米国海洋大気庁などとの米国共同研究を加速させる。また、2023年3月に発生した浅部スロースリップイベントにについての解析も進める予定である。
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