Project/Area Number |
20KK0128
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
新谷 政己 静岡大学, 工学部, 准教授 (20572647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 千穂 (鈴木千穂) 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10733032)
原 啓文 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (80511071)
野尻 秀昭 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90272468)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | プラスミド / 接合伝達 / 宿主域 / 植物体圏 / 気候帯 |
Outline of Research at the Start |
自然界におけるプラスミドの伝播現象は,細菌の進化・適応機構を理解する上で重要であるにもかかわらず,その実態はほとんど不明のままである.本研究では,プラスミド伝播が活発化すると推定された,植物の地上部(葉圏)や地下部(根圏)(植物体圏)におけるプラスミドの動態の理解を目指して実施する.日本・ドイツにマレーシアを加え,気候帯や土壌の異なる植物体圏で伝播するプラスミドを同定し,その存在量や宿主域を比較する.並行して,得られたプラスミドの存在量や接合伝達頻度が環境条件の違いによって変化するかを検証し,植物体圏におけるプラスミドの伝播の実態を解明する.
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Outline of Annual Research Achievements |
植物の葉圏・根圏(植物体圏)が,プラスミドや薬剤耐性遺伝子の温床となっていることが示されている.昨年度,施肥条件が異なり,複数種類の作物を輪作している筑波大学の管理圃場の植物体圏からプラスミドキャプチャリングを実施し,IncP群とPromA群プラスミドを取得した.これらのプラスミドの存在量の変化を,PCR-サザンブロット法によって追跡し,IncP群は検出できたのに対し,PromA群プラスミドは検出限界以下であった.また各プラスミドの完全長塩基配列に基づく詳細な解析の結果,水銀耐性遺伝子群を含む複数のIncP群プラスミドや,新規IncP群(既存のIncP群プラスミドと不和合性を示すものの,各遺伝子の塩基配列の相同性が低く,新たな亜群に属する)プラスミド,発見数の限られたPromA群プラスミドが含まれることが判明した.本年度はこれに加えて,一部の対面交流ができるようになったため,ドイツ側との打ち合わせを経て,プラスミドの動態における共同研究の一環として,相手国側の研究者と,学会での共同発表を行った.また,気候帯の異なる土壌試料からのキャプチャリングとして,エジプトの根圏由来のプラスミドについて,塩基配列の解読の準備を進めた.さらに,植物体圏でのプラスミドの動態を追跡する実験については,プラスミド伝播を追跡するための材料として,GFPを発現する遺伝子を挿入したIncP群(種々の薬剤耐性遺伝子を伝播し,重要な亜群であると判明したイプシロン亜群)を作製し,ドイツ側での実験ができるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本の植物体圏に関しては,植物の週齢や施肥の有無によって,各プラスミドの存在量が変化することが示唆されたため,より定量的にPCR-サザンブロット法によって追跡することが可能になった.また,日本の植物体圏を伝播しているプラスミドの塩基配列レベルの詳細な解析に加え,気候帯の異なるエジプトの植物体験由来のプラスミドのキャプチャリングとプラスミドの同定を試みることができた.現在,その塩基配列の解読を進めている.また,実際にドイツに渡航し,プラスミドの動態を追跡するシステムの構築を行うとともに,相手国側研究者と国際学会で共著で発表した.また,国際共同研究の一環として,クロアチアの環境中で薬剤耐性遺伝子を伝播するプラスミドの同定とその塩基配列レベルの詳細な解析も行った.必ずしも植物体圏とは言えないものの,気候帯の異なる環境で,伝播するプラスミドについての重要な知見を得られたと考えられる.一方,コロナ禍の影響で,まだマレーシアには渡航できていないため,次年度に渡航する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
日本・ドイツ・マレーシア(エジプト)という異なる気候帯・土壌環境における植物体圏について,以下の3点を行う. (i)引き続き,気候帯・土壌の異なる植物体圏(エジプト・マレーシア)から収集したプラスミドの全塩基配列を明らかにし,各植物体圏の試料に,どのようなプラスミドが存在するのかを明らかにする(研究代表者・新谷,研究分担者・原). (ii)引き続きモデル植物体圏において,植物の週齢や施肥の有無によって,各プラスミドの存在量がどのように変化するのか,PCR-サザンブロット法や,リアルタイムPCRを行う(研究代表者・新谷,相手国共同研究者・Smalla). (iii)引き続き,プラスミドの伝播を追跡可能にするシステムを導入したIncP群・PromA群プラスミドについて,植物体圏では,どのような微生物に接合伝達するのかという宿主域を,モデル微生物群集内で,フローサイトメトリーとセルソーターおよび蛍光顕微鏡を用いて明らかにする(研究代表者・新谷,研究分担者・原,水口,相手国共同研究者・Smalla). 以上を実施して異なる気候帯・土壌に生育する植物の葉圏と根圏(植物体圏)におけるプラスミドの伝播の実態を明らかにする.
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