Project/Area Number |
20KK0129
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上田 晃弘 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (10578248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末川 麻里奈 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (00825656)
冨永 淳 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (20788632)
西田 翔 佐賀大学, 農学部, 准教授 (40647781)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | イネ / 塩アルカリストレス / 塩・アルカリストレス / 塩・アルカリ耐性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では塩害とアルカリ害を併発したタイ国内の塩類集積水田でのイネ栽培を実現させるために、塩・アルカリ耐性を強化したイネ系統の創出を行う。遺伝的背景が異なるイネ在来品種群から塩・アルカリ耐性に優れた品種の選抜を行い、その耐性機構について分子生理学的解明を行う。これらの知見をもとに栽培品種の塩・アルカリ耐性の強化を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、タイ東北地方の塩アルカリ害が発生した水田での稲作を可能にするために、塩アルカリ耐性を強化したイネの創出を最終目的とする。塩類集積土壌の中でも、塩害とアルカリ害を併発した塩アルカリ害は作物生産に最も深刻な影響を与える。塩アルカリ害耐性を強化したイネの創出には、現地の塩アルカリ害がどの程度であるのかを把握する必要がある。本年度はコロナ禍により延期せざるを得なかった現地調査を実施した。ナコンラチャシマー県の塩害発生水田4か所を訪問して土壌分析を行ったところ、pHは最大で9.0であり、電気伝導度(EC)は13.2 mS/cmであることが分かり、極めて深刻な塩アルカリ害が発生していることが明らかとなった。イネの塩アルカリ耐性を強化するための遺伝子候補の探索では、カリウム輸送体OsHAK17の解析を行った。酵母発現系を用いた機能解析の結果、OsHAK17はNa駆動型K輸送体としての機能を有していることが示唆された。Na感受性酵母変異株でOsHAK17遺伝子を過剰発現させたところ、塩耐性とともに塩アルカリ耐性を向上させることが明らかとなった。塩害はイネ体内のK濃度を低下させることはよく知られているが、塩アルカリ害は塩害単独処理よりもイネに深刻なK不足を引き起こす。このことからOsHAK17は塩害および塩アルカリ害の両方の耐性強化に有効な遺伝子であることが示唆された。RNA seq解析により耐性品種では多くの機能未知の遺伝子群の発現誘導が確認されているため、これらの機能解析も引き続き実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた現地調査を実施することができたこと、また塩アルカリ耐性候補遺伝子の同定が進んだことから、研究は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
イネの塩アルカリ耐性向上に必要な遺伝子候補としてOsHAK17を同定したが、耐性品種を用いたRNA seq解析では多くの機能未知の遺伝子群の発現誘導が確認されている。これらの機能解析を進めることで、イネの塩アルカリ耐性強化に有用な遺伝子群の同定を進める。
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