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出穂期の人為制御による熱帯アジアで多発するイネ高温不稔障害の回避

Research Project

Project/Area Number 20KK0138
Research Category

Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 39:Agricultural and environmental biology and related fields
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

犬飼 義明  名古屋大学, 農学国際教育研究センター, 教授 (20377790)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 黒川 裕介  名城大学, 農学部, 助教 (60851798)
土井 一行  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (80315134)
Project Period (FY) 2020-10-27 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Keywordsイネ / 高温障害 / 出穂遅延 / 間断灌漑 / 出穂期 / 高温不稔
Outline of Research at the Start

異常高温がイネの出穂時に重なることで受精に支障が生じ、収量が大幅に低下する。我々は、栽培時の水管理の違いにより、出穂時期を変動できる遺伝系統の選抜に成功した。本系統を利用すれば、高温のピークと出穂時期の重なりを回避できる新品種・栽培技術の開発が期待できる。イネは短日植物であり、花芽形成の誘導を通した出穂期の決定は日長の違いに大きく影響を受ける。そこで本研究課題では、厳しい高温不稔が多発する熱帯アジアのうち、緯度の違いにより日長が大いに異なる3ヶ国を対象国に選定した。これらの海外共同研究者と共に、異常高温に耐えるのではなく、それを回避できるイネ系統の育成とその水管理栽培技術の確立を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

異常高温がイネの出穂時に重なることで不稔が生じ、深刻な収量の低下が誘発されるため、アジア各国の研究者が高温不稔耐性に関わる有用形質の解明に取り組んでいる。一方、さらなる温暖化に備え、高温のピークと出穂時期の重なりを回避できる新技術の開発も必要不可欠である。本年度は昨年度に引き続き、節水栽培下(間断灌漑下)にて出穂期が変動する系統の選抜、および出穂変動のメカニズムを調査した。
昨年度に引き続き、NAM集団(約1000系統)を材料に解析を行いを間断灌漑下にて育成し、出穂期を調査した。その結果、節水栽培下での開花遅延に関する合計 14 個の QTL を検出した。 非機能的 Ehd1 対立遺伝子を持つ遺伝子型は、機能的 Ehd1 グループと比較して、出穂遅延に対してより高い相加効果を示し、開花遅延 が Ehd1 遺伝子の効果によって大きく影響される傾向が認められた。 したがって、Ehd1 の非機能的対立遺伝子と、間断灌漑下での出穂遅延に関わるQTL との組合せが、本研究が目指す育種目標に有用であると考えられた。 2 つ以上の QTL が検出された系統では、平均 7.3 日の出穂遅延が認められた。 この遅延は、個々の QTL 効果と比較して大きく、さらなる各QTL の積み重ねが出穂遅延日数の拡大を導くものと期待された。
現在、世代促進が年3回行えるフィリピンにて交配することで、これまでに検出した出穂遅延に関わる各QTLを複数保有する系統群の作出を進めている。次年度はこれらの材料を用いて間断灌漑下にて栽培し、各QTLの蓄積効果を解析する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究当初の渡航制限のため、web上での打合せを通じて材料の輸出入や現地での圃場栽培試験を慎重に進めてきた。しかし、適切な時期におけるデータの取得や遺伝子解析のためのDNA/RNA抽出を目的としたサンプリングが困難な場合が生じ、研究計画の遂行が大きく遅れていた。一方、昨年度からは徐々に回復してきており、適切なデータの取得やサンプリングが可能となってきている。そのため、遅れを少しずつ取りもどすことができつつあり、「やや遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

現在、世代促進が年3回行えるフィリピンにて交配することで、これまでに検出した出穂遅延に関わる各QTLを複数保有する系統群の作出を進めている。次年度はこれらの材料を用いて間断灌漑下にて栽培し、各QTLの蓄積効果を解析する。その際、乾燥ストレスの強度や時期の異なる落水処理を行い、出穂遅延能や他の農業形質を精査することで、これらの育成・選抜系統の有用性を評価するとともに、その能力を十分に発揮できる水管理技術を確立する。

Report

(4 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • 2020 Research-status Report
  • Research Products

    (6 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (3 results) Presentation (3 results)

  • [Int'l Joint Research] フィリピン稲研究所(フィリピン)

    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Int'l Joint Research] バングラデシュ農業大学(バングラデシュ)

    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Int'l Joint Research] フィリピン稲研究所(フィリピン)

    • Related Report
      2021 Research-status Report
  • [Presentation] 厳しい乾燥ストレス下でのイネ安定生産を目指す新しい試み2023

    • Author(s)
      犬飼義明・金生真綾
    • Organizer
      第57回根研究集会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 陸稲の水不足ストレスへの反応に関与するQTLの探索2023

    • Author(s)
      松山恵美子・仲田麻奈・犬飼義明・黒木隆一・西内俊策・槇原大悟・土井一行
    • Organizer
      第143回日本育種学会講演会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] QTL mapping for delayed flowering time under mild drought stress in rice NAM population2022

    • Author(s)
      Wainaina, C. M., K. Doi, D. Makihara, Y. Inukai
    • Organizer
      第29回日本育種学会中部地区談話会
    • Related Report
      2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2020-10-29   Modified: 2024-12-25  

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