Project/Area Number |
20KK0194
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 52:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菱本 明豊 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (50529526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 雅人 九州大学, 医学研究院, 講師 (10757686)
LIU XIAOXI 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (20709216)
大塚 郁夫 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40722880)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 自殺 / ゲノムワイド関連解析 / 自殺コンソーシアム / ポリジェニックリスクスコア / 国際自殺遺伝学コンソーシアム |
Outline of Research at the Start |
研究代表者らは、国内唯一・世界的にも最大規模の自殺者DNA試料とGWASデータを有する強みを生かし、白人自殺GWASを世界で初めて施行するなど自殺研究の世界的中核機関であるコロンビア大学精神科Mannらのグループと連携し、世界初の「国際自殺遺伝学コンソーシアム」の拡張に挑む。同コンソーシアムの発展によって、自殺GWASのサンプルサイズ増加と多人種のデータ取得が可能となり、自殺の遺伝負因についての国際的な視座を含んだ遺伝統計学的知見の産出が強く期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
世界的に深刻な社会問題である「自殺」には強い遺伝要因が存在するとされる。しかしながら、自殺者試料の収集が極めて困難なことから、相応の規模のゲノム解析の実施が難しく、うつ病や統合失調症など他の精神科領域の表現型に比して、自殺の遺伝学的知見の獲得は遅れていた。申請者らは、世界最大規模の自殺者DNA試料とそれら大半のゲノムワイド関連解析(genome-wide association study; GWAS)データを有し、2019年には世界で初めて「自殺完遂」のポリジェニック効果を報告した。本申請では、そうした経験・強みを生かし、白人自殺GWASを世界で初めて施行するなど自殺研究の世界的中核機関であるコロンビア大学精神科Mannらのグループと組んで、最近立ち上がった世界初の「国際自殺遺伝学コンソーシアム(以下、自殺コンソーシアム)」の拡張(特にアジア人コホートのサンプル増加への貢献)を目指す。自殺は例えば欧米とアジアでは、企図手段や並存精神疾患の割合などが大きく異なることも報告されている。自殺コンソーシアムの発展によって、自殺GWASのサンプルサイズ増加と多人種のデータ取得が可能となり、自殺リスクについての人類共通の遺伝因子の発見や、人種間の遺伝因子の差異、自殺と他のヒト表現型との遺伝的関連の精細なマッピングなど、これまで困難とされていた自殺の遺伝要因についての遺伝統計学的知見を産出中である。申請者らが追加収集した日本人自殺者のInfinium Asian Screening Arrayでのジェノタイピングなど、東アジア人集団の自殺行動GWASのスケールアップも順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自殺コンソーシアム発の自殺行動者GWASについて、申請者らが共著した論文成果を発表できている(Biol Psychiatry 2021, JAMA Psychiatry 2022)。コロンビア大学保有の白人自殺GWASについて、自殺行動とヒト表現型の遺伝的関連を自殺未遂と自殺完遂に区分しての解析を実施し、責任著者として論文発表した(Psychol Med)。申請者らが保有する日本人自殺GWASと、コロンビア大学保有の白人自殺GWASについて、精神疾患との遺伝的関連の強度について比較検討した論文も現在投稿中である。本研究開始時から、追加の日本人自殺者 約500例のInfinium Asian Screening Arrayでのジェノタイピングを終了し、さらに年間100例のペースで自殺者試料を収集中である。このように昨年度に引き続き、コロンビア大学や自殺コンソーシアムとの共同研究の論文化がスムーズに実施できていること、自殺者試料の収集・ジェノタイピングが順調に進んでいることから、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定を超える自殺者試料の収集・ジェノタイピングを遂行中であり、本研究期間内に1500~1600例の日本人自殺者GWASを構築できる予定である。今後、特に自殺コンソーシアムに含まれる東アジア人集団の自殺行動者データを活用し、「アジア人種における自殺リスク判定のためのポリジェニックリスクスコアの精度検討」や「アジア人種における自殺リスク候補遺伝子の同定」「アジア人集団における自殺と様々な他ヒト表現型の遺伝的関連の描出」に注力する。人種横断的/人種特異的な自殺リスク候補遺伝子が得られた場合、申請者ら保有の日本人自殺者死後脳等を用いて、候補遺伝子のRNA/タンパク発現解析やDNAメチル化解析を行う予定である。
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