Project/Area Number |
20KK0205
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 56:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉井 俊貴 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (50583754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 淳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30251507)
平井 高志 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40510350)
松倉 遊 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10880867)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 異所性骨化 / プラスミノーゲン / 靭帯骨化症 |
Outline of Research at the Start |
1)異所性骨形成における線溶系酵素の役割の解明、骨化の制御:プラスミノーゲン欠損PlgKOマウス、熱傷モデルマウス、プラスミノーゲンActivatorKOマウスを用いて、異所性骨化における線溶系酵素の役割の解明、骨化の制御を検証する。2)脊椎靭帯骨化と線溶系酵素の関連の解明:PlgKOマウス靱帯骨化モデルを作成し、線溶系酵素、activatorの役割を明らかにする。靱帯骨化症患者の血液サンプルを採取し、靱帯骨化症と線溶系酵素、リン酸代謝の関係を調査する。3)新規骨形製薬の開発:小動物、中動物を用いて化合物Aを局所投与し、投与濃度、投与法を最適化し、前臨床モデルでの検証を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでVanderbilt大学と共同研究を行い、プラスミンが線溶機能と直接関係ない異所性骨形成に関与することを報告している。ラスミノーゲンKOマウスや部分KOマウスにておいて、カルディオトキシンを下腿三頭筋内に注射することで異所性石灰化が惹起された。プラスミノーゲンKOマウスでは異所性石灰化の吸収がより遅延していたため、プラスミノーゲンは異所性石灰化の出現だけでなく、消退(regression)にも影響していると考えられたため、異所性石灰化を見立てたハイドロキシアパタイト(HA)の筋肉内注射実験を行った。コントロールマウスでは経時的なHAの減少を認めたが、プラスミノーゲンKOマウスでは消退が長期にわたって大きく遅延していた。このことから、プラスミノーゲンは異所性石灰化の出現だけでなく、マクロファージによる石灰化の消退にも作用していることが分かった。ただしHAの注射のみでは骨化が惹起されないことから、骨化の原因は石灰化自体ではないことが示唆された。 次にプラスミノーゲンアクチベーターであるtPAやuPAのKOマウスを用いて同様の実験を行った。筋損傷後に石灰化の出現を認め、また異所性石灰化の消退も遅延していた。つまり異所性石灰化の出現や消退にはプラスミノーゲンではなくプラスミン活性が関与しており、その活性は主にuPAによるものであることが分かった。この結果から、異所性石灰化の予防機構としてはuPAによるプラスミン活性化が治療候補として示唆された。 背部広範囲熱傷モデルマウスでは、血中プラスミノーゲンが低下している傾向を認めていることから、熱傷によるプラスミノーゲンの枯渇が異所性石灰化を惹起していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来であれば、2020年度中に研究協力者の川畑が渡米して研究に加わる予定であったが、コロナ禍で、渡米が2021年になってしまった。また研究代表の吉井も、施設の基準で、2020年度は渡米できていない。ただし、すでに渡米している研究協力者である江川とリモート会議を重ね、プラスミノーゲン完全欠損Plg(-/-)、部分欠 損Plg(+/-)マウスにおいて薬剤誘発性:カルディオトキシン(CTX)下腿腓腹筋局注による異所性骨化モデルを作成し、石灰化・骨化のメカニズムを解析した。さらにプラスミノーゲンの異所性骨化への関与をより詳細に調べるために、2種類の activator(組織型(tPA)とウロキナーゼ型(uPA))のKOマウスを使用し、それぞれのactivatorの役割も検証を行えた。また熱傷ではプラスミノーゲンの枯渇を生じている可能性が示唆された。 石灰化から骨化への移行については、HA自体は骨形成促進薬にはならないことが分かった。今後は吸着する蛋白質などにも注目し解明を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の異所性石灰化誘発モデルマウスにおいて、まず石灰化予防薬剤であるビスフォスフォネートの投与による予防効果を検討する。またプラスミン活性が異所性骨化への移行に与える影響を調べるため、PLG KO, tPA KO, uPA KOの各マウスにおいて異所性骨化への移行形態を評価する。またtPA, uPA両者の同時KOマウスを作成し、プラスミノーゲンは存在するがプラスミン活性を失った状態において異所性石灰化や消退、そして骨化への移行を観察する。またさらにはPAI1阻害剤の線溶系に対する効果が、すでに動物実験などで効果が実証されており、これら異所性骨化モデルマウスに対する、治療薬の候補として検証を行っていく。
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