Revealing the ecophysiologies of nitrous oxide-reducing bacteria towards the mitigation of greenhouse gas emissions in advanced nitrogen removal processes for wastewater treatment
Project/Area Number |
20KK0243
|
Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
寺田 昭彦 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30434327)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 恵 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00761024)
徳山 英昭 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10363029)
末永 俊和 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (80828377)
|
Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | 亜酸化窒素 / N2O還元細菌 / メタゲノム解析 / メタトランスクリプトーム解析 / 嫌気性アンモニア酸化 / 脱窒遺伝子 / ゲル固定化 / 動力学的解析 / メタゲノム / 転写活性 / 電子伝達 / 15Nトレーサー / 脱窒 / 高度窒素除去システム / 電子競合 / 遺伝子発現 / 高度窒素除去 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、強い温室効果を示すガスである亜酸化窒素(N2O)の排出を削減するため、N2Oを消費して無害な窒素ガスに変換可能な細菌群の種類、機能、性能を明らかにすることを目的とする。特に、窒素を除去する高度排水処理施設に潜む高活性N2O還元細菌を独自培養装置で獲得し、最先端の解析により機能解明を行う。さらに、細菌を高密度に固定化する技術を開発することで、排水処理施設からのN2O排出の削減を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から引き続き運転を行っている亜酸化窒素(N2O)供給型嫌気性アンモニア酸化用バイオリアクターの微生物叢の解明と活性評価を実施した。このバイオリアクターで集積されたバイオマスのメタゲノム解析を実施し、N2O還元細菌を含めた18種の高品質なドラフトゲノムの構築を達成した。このドラフトゲノムを確認したところ、このうちの2種のドラフトゲノムは優占化されていたChloroflexota門、Anerolineae綱であることが明らかになった。また、その他のドラフトゲノムとして、Proteobacteria門、Armatimonadota門、Acidobacteriota門などに属する系統であることを明らかにした。また、ドラフトゲノム内の窒素酸化物の還元に関する遺伝子型を評価したところ、多くの種類は一部の脱窒遺伝子が欠落した非脱窒性N2O還元細菌であることが示唆された。 これらの集積バイオマスから優れたN2O還元細菌の獲得に向け、分離培養を行った。数種の分離培養に成功し、これらの細菌がN2O還元酵素をコードする機能遺伝子を保有することを確認した。この研究成果によりゲノム解析およびN2O消費に関する動力学的解析を進める準備が整った。 さらに、研究室で分離培養に成功しているN2O還元細菌のゲル固定化と動力学的解析を進めた。ゲル固定化で用いるアルギン酸カルシウム濃度を変化させた際の固定化細菌のN2O消費活性を評価し、アルギン酸カルシウム濃度が高くなるにつれて、機械的強度が高くなること、酸素濃度に対するN2O消費活性の低下を緩和できることを明らかにした。一方、アルギン酸カルシウム濃度を上げることで見かけ上のN2O消費活性が下がること、見かけ上のN2Oに対する半飽和定数には大きな変化を与えないことを確認した。得られた結果より、ゲル固定化のために適切なアルギン酸カルシウム濃度の範囲を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の上半期はコロナウイルスの影響により、渡航制限と先方の受入制限が続き、研究者の受入および渡航は延期することにしたが、下半期に研究者1名が国際共同研究先に2か月間渡航し、嫌気性アンモニア酸化用バイオリアクターのメタトランスクリプトーム解析を実施した。この解析内容に関しては、先方と継続して実施している月例の研究ミーティングを通して密に議論したことにより、予定を上回るペースで解析を行えた。当初、渡航先で行う予定であったメタゲノム解析やN2O還元細菌の電子伝達機構について議論に関しては、申請者らのグループ内および国内の共同研究先の研究者とチームを組み、研究を重点的に進めた。また、国際共同研究先との合同セミナーを実施し、学生同士の研究内容の相互理解を深めるとともに、博士後期課程学生が先方へ滞在して新たな共同研究を実施する機会となった。以上より、研究はおおむね順調に進んでいると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2023年度は、2022度末に実施した嫌気性アンモニア酸化バイオリアクターに生息する微生物群集のメタトランスクリプトーム解析から、活性の高いN2O還元細菌の選定を行う。さらに、N2O還元細菌の分離培養、ゲノム解析、動力学的解析を継ぎ目なく実施し、有用なN2O還元細菌の機能・活性を紐解くとともに、排水処理分野以外の分野での水平展開を目指す。 2023年度は、1名の博士後期課程学生が5か月間国際共同研究先に渡航する。これまでの共同研究で得られたN2O還元細菌の生理生態を組み入れた数学モデルの構築とシミュレーションにより、N2O削減に向けたバイオリアクターの運転条件を明らかにする。さらに、N2O還元細菌の電子伝達機構についての検討を進める。この検討に並行して、N2O還元細菌のゲル固定化の研究を進める。ゲル内のN2O濃度プロファイルを取得し、拡散・反応モデルの構築に必要となるパラメータ値の取得を目指す。 以上の項目を融合することにより、省エネ型窒素除去を行う嫌気性アンモニア酸化プロセスにおけるN2O還元細菌の機能解明と工学的応用の価値についてまとめていく予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(9 results)