Systematization of direct-biogas fuel cell technology for creating a new trend of material and energy circulations
Project/Area Number |
20KK0248
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | Kogakuin University (2022) Kyushu University (2020-2021) |
Principal Investigator |
白鳥 祐介 工学院大学, 先進工学部, 教授 (00420597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤崎 貴也 東北大学, 多元物質科学研究所, 特任研究員 (30846564)
立川 雄也 九州大学, 工学研究院, 助教 (70587857)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / バイオマス廃棄物 / バイオガス / 資源循環 / メコンデルタ |
Outline of Research at the Start |
燃料から直接電気エネルギーを取り出す燃料電池は、エンジン発電機の倍以上の高い発電効率を有するにも関わらず、途上国での導入事例はほぼ皆無である。我々は、燃料電池の地球規模の普及に向け、水素インフラを必要としないバイオマス廃棄物を資源としたサイクルを提案し、その核となるバイオガスの直接供給で作動する革新的燃料電池技術体系の確立に向けた国際共同研究を、ベトナム国家大学ホーチミン市校(VNUHCM)・ナノテク研究所(INT)と実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、バイオガスを極めて高い効率で電力に変換できる発電デバイスであるが、バイオガス中に含まれる微量の硫化水素(H2S)により改質触媒や燃料極が被毒されて発電効率が大きく低下することが報告されている。そこで本研究では、脱硫剤として利用できるバイオチャーの開発に取り組んでいるが、2022年度は、密度汎関数理論を用いて、グラフェン中に窒素原子が置換したpyridinic-Nとoxidized-Nと呼ばれるサイトを有するシートに対してH2S吸着時の解離反応の活性化障壁を評価した。その結果、pyridinic-Nが H2Sを選択的に酸化除去することを明らかにし、当成果が国際学会誌Royal Society of Chemistryに掲載された。 バイオガスを燃料とした直接内部改質型(DIR-)SOFCの実現に向けて、ペーパー触媒(PSC)の無機繊維ネットワーク内に分散させる高機能触媒担体の創出に取り組んでいる。種々のPSCに対して750oCにおいてメタンドライリフォーミング試験を行ったところ、花びら形状Ce0.5Zr0.5O2(CZ(F)0.5)を分散させたPSCが最も高い改質活性を示した。電解質支持型セルの多孔質燃料極上にNi/CZ(F)0.5-PSCを配置した場合と配置しなかった場合に対して、模擬バイオガス(CH4/CO2 = 1)を供給し、750oC、0.1 A cm-2において、100時間の定電流試験を行ったところ、Ni/CZ(F)0.5-PSCの適用により開回路電圧が100 mV以上高まったことによりセル電圧が上昇し、炭素析出も大幅に抑制され、安定したDIR発電が可能となった。この結果は、Ni/CZ(F)0.5-PSCがDIR-SOFCを実現する構造体触媒として有望であることを示すものであり、現在論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナの影響により、年度途中までベトナムに渡航できない状態が続いていたものの、脱硫剤に関する研究について、国際学会誌に論文を2報掲載させることができた。2022年10月には、本研究が始まって以来初めて相手国に渡航することができ、カウンターパート(ベトナム国家大学ホーチミン市校(VNUHCM)・ナノテク研究所(INT))と国際共同研究体制の強化戦略を協議した上で工学院大学への留学希望者との面談を行い、2023年4月より、当希望者を研究生として受け入れることとなった(2023年10月に工学院大学・大学院機械工学専攻の博士課程に受験予定)。以上、学術的国際交流の強化に大きな進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、CeO2基板にNi触媒を担持したモデルに対して、メタンドライリフォーミング反応の理解を目指して、CH4乖離の活性化障壁の計算を行っている。今後、ZrO2基板およびCeO2-ZrO2基板へと拡張して行き、さらに、Yの添加や酸素空孔の影響などを調べて行く予定である。CO2の乖離反応に対しても、同様の評価を行う。 DIR-SOFCの実現を目指してPSCの研究開発を行い、PSC内に分散させる触媒担体として、CZ(F)0.5が効果的であることを明らかにしたが、これを利用した燃料極材料の開発も魅力的であり、INTから受け入れた留学生が、Ni担持CZ(F)0.5とスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)を混合したNi/CZ(F)0.5-ScSZ燃料極の開発を行う。 提案したドライリフォーミングモデルを活用して、熱流体解析によるDIR-SOFCのスタックシミュレーションを行う。スタック内部で進行する改質反応の速度分布、ガスの濃度分布、温度分布および電流分布等を可視化し、スタックの安定作動に資する運転指針を提案する。 メコンデルタ地域で開催されるINT主催の国際学会にて、本邦若手研究者および学生が成果発表を行うとともに、研究代表者は、SOFC技術のベトナムへの普及を念頭に、基礎研究の成果に加えて、ベトナム・ティエンザン省で実施することとなったバイオガスSOFCシステムを導入したエビ養殖実証についての情報発信を、地域ステークホルダー(住民、農家、水産養殖業者、人民委員会等)に対して行う。これらの活動を通して、相手国の優秀な人材を受け入れ、学術交流をさらに深めて行く。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)