Project/Area Number |
20KK0257
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43060:System genome science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大林 武 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50397048)
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Project Period (FY) |
2021 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥14,170,000 (Direct Cost: ¥10,900,000、Indirect Cost: ¥3,270,000)
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Keywords | 遺伝子共発現ネットワーク / 短期進化 / 環境適応 / 小麦 / 進化圧 / 進化生態学 / 遺伝子ネットワーク / 計算言語学 |
Outline of Research at the Start |
遺伝子発現パターンの類似性(遺伝子共発現)情報は、遺伝子機能ネットワークを推定する方法として広く利用されている。 申請者はこれまでに、遺伝子共発現ネットワークの種特異性を解析する手法を構築してきたが、このような種特異的な遺伝子ネットワークの機能を理解するには、その関係をもたらす環境条件の深い理解が必要である。本研究では、種の生息環境を考慮し、遺伝子ネットワークの適応進化を解明する枠組みを構築する。特に人間活動に伴う短期進化に着目することで、育種学や環境科学に応用可能な遺伝子ネットワーク解析法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
異質倍数体はゲノム配列の種内バリエーションを一つの個体に取り込み、遺伝子の新しい組み合わせを探索することで、新規の環境への適応を可能にする植物の広く見られる短期進化の重要な戦略である。本研究では遺伝子共発現解析を通じて、この遺伝子の新しい組み合わせの出現とその機能を解明する。 重要な穀物であるコムギは、異質6倍体(AABBDD)の特徴を持つ。同質倍数体ゲノムではサブゲノム単位の制御が示唆されているが、異質倍数体におけるサブゲノム単位の制御の存在やその効果は明確でない。公共リポジトリに登録されているRNAseqデータを用いてコムギの全遺伝子ペアの遺伝子共発現関係を導出した結果、多くの遺伝子共発現モジュールがサブゲノムA, B, Dにまたがっている一方で、少なくとも一部の共発現モジュールは特定のサブゲノムの遺伝子のみで構成されていることが示された。 並行して、植物を文化進化の観点から解析する手法を構築した。同一の生物に対して異なる言語で異なる呼び名が存在するが、文化的な接触に基づく語彙の伝播により、呼び名は言語を超えた類似性の構造を持つ。これまでに哺乳類を対象に、呼び名の通言語的な類似性構造からその生物種の起源(野生の生息域)とそこからの語彙の伝播の歴史を考察してきた。今年度は食用植物を含む有用植物について、呼び名から伝播の歴史を考察した結果、これらの植物においてもその起源と伝播の歴史を追跡できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倍数体植物の共発現データの解析と文化進化の解析を並行して実施したが、これらを統一的に議論できる段階にはまだ至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
倍数体植物の共発現データの解析と文化進化の解析を進め、統一的な議論の枠組みを構築する。
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