電界効果技術と有機合成化学を駆使した低次元ナノ結晶の熱電特性の開拓
Project/Area Number |
20KK0318
|
Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
|
Research Institution | Toyama Prefectural University (2023) Central Research Institute of Electric Power Industry (2020-2022) |
Principal Investigator |
清水 直 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60595932)
|
Project Period (FY) |
2021 – 2023
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥13,260,000 (Direct Cost: ¥10,200,000、Indirect Cost: ¥3,060,000)
|
Keywords | 熱電効果 / ナノ材料 / ナノ結晶 / 電界効果 / 有機合成 |
Outline of Research at the Start |
近年、IoT社会におけるトリリオンセンサネットワーク用自立型電源として、環境から微小エネルギーを取り出すエナジーハーベスティングの重要性が認識され、その技術開拓が社会的な課題となっている。その技術の一つとして「物質中の温度勾配を電圧に変換する古典的な物理現象」である熱電効果による発電が改めて注目を集めている。特に低次元構造を有するナノ材料は優れた熱電特性を示すことが期待され、基礎・応用の両面から世界中で研究が進められている。本国際共同研究では、応募者の「イオン液体を用いたキャリア数制御技術」と海外共同研究者の「有機合成技術」を組み合わせることで、低次元ナノ結晶の熱電現象を開拓する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
多様な新電子機能を実現する材料の候補の一つとして、半導体ナノ材料の研究が進められている。本課題では、「電界効果トランジスタ構造化でキャリア密度を電気的に制御する技術」と「半導体ナノ材料の形状およびサイズを制御する技術」を組み合わせた研究を行うことにより、基課題の研究計画を発展させる。また本課題は、研究代表者がドイツに滞在し(期間は令和4年6月から令和5年5月)、国際共同研究として遂行した。 令和5年度のドイツ滞在中(令和5年4月-5月)は、CdSe及びCuZnInSeのナノ結晶の研究を進展させた。スピンコート法によりナノ結晶の薄膜を作製し、電気特性の評価を行った。リガンド交換やスピンコートの最適な条件を調べ、数10nmから100nm程度の厚みの薄膜を作製した。さらに、それぞれの材料から薄膜トランジスタを作製したところ、n型およびp型動作を示すこと、電界効果によりキャリアを注入することに成功した。また、帰国後も日本で実験を継続するため、上記2種類の材料を含むナノ結晶試料の合成を行った。これらの試料の測定は、本課題の終了後も、共同研究として継続し発展させる。 日本に帰国後は、研究を継続するために研究代表者の実験室の整備を行った。半導体ナノ結晶は大気中で不安定であり、酸素や水分への暴露で劣化する。そのため、グローブボックス中の嫌気性雰囲気下で薄膜作製やトランジスタ作製、物性評価を行う実験環境を整備した。今後は電界効果トランジスタの作製と熱電特性の精密評価を、渡航先の研究機関と連携しながら進めてゆく。
|
Report
(3 results)
Research Products
(2 results)