過敏性腸症候群の脳(心)と腸をつなぐ神経回路を解明する
Project/Area Number |
20KK0352
|
Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 裕樹 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50644556)
|
Project Period (FY) |
2021 – 2022
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥14,040,000 (Direct Cost: ¥10,800,000、Indirect Cost: ¥3,240,000)
|
Keywords | 過敏性腸症候群 / Gastroparesis / 機能性ディスペプシア / 脳腸循環 / 腸内細菌 / 消化管運動異常症 / 心身相関 |
Outline of Research at the Start |
機能性消化管疾患(FGIDs)は心身相関をベースとする疾患概念であるが脳(心)と腸をつなぐ神経回路は具体的に示されていない。本申請内容では、FGIDsの代表疾患である過敏性腸症候群(IBS)について、渡航先の新規動物実験モデルの改良と最新の消化管機能解析技術を駆使し、IBSの「体」の異常である腸内細菌-腸粘膜機能と、「体」を調節する自律神経系ネットワークのつながり、そして「脳(心)」をつなぐ神経回路を見つけ、IBSの知覚過敏の所在を明らかにする。さらに、基研究で開発している消化管機能解析法を用い「脳(心)」と「体」の神経回路を標的とした新規治療法を探索する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
感染後過敏性腸症候群(PI-IBS)は疫学的によく知られた病態であるが、PI-IBSにおける腸管生理および遺伝子的な変化は知られていない。さらに、一般にIBSにおける生理機能変化に対する分子的な決定要因に関する知見は限られている。そこで、PI-IBSにおける消化管生理機能、大腸トランスクリプトーム、および糞便メタボロームの関係を明らかにするため研究を行った。ローマ基準で診断されたPI-IBS患者およびheakthy volunteersに対して腸透過性検査・シンチグラフィー・barostatなどの腸管機能検査を行い、また、糞便メタボローム解析・生検検体についてRNAseq解析を行った。PI-IBSの生理学的特性は、遠位大腸の透過性亢進を示していた。L-ウロビリンなどの代謝物の減少や便の回数との逆相関は、ビリルビン脱共役の障害やPI-IBSにおける高いタンパク質分解活性というこれまでの知見と一致し、さらに、ニコチン酸の代謝経路は、高い腸管透過性と関連していた。一方で腹痛などの症状と生理機能変化・糞便メタボローム・生検検体での遺伝学的変化に強い関連は見いだせなかった。 機能性ディスペプシアと消化管運動異常症(胃不全麻痺:Gastroparesis)の脳腸循環と腸管生理機能を中心とする病態差、さらに鑑別診断についてのreviewを報告した(Gastro Hep Advances 2022)。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)