Project/Area Number |
21025015
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 均 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (60158946)
|
Project Period (FY) |
2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
|
Keywords | 受精 / 精子 / プロテアソーム / ユビキチン / 卵 / ホヤ |
Research Abstract |
上記研究課題に関する研究成果について報告する。我々は、精子ユビキチン-プロテアソームシステムは、卵外被に精子通過口を開けるライシンとして機能する事をすでに報告している。特に、プロテアソームは、マボヤ精子頭部表面に存在することを、活性染色法や細胞非透過性標識試薬を用いて明らかにしている。このことは、精子先体過や細胞膜表面にプロテアソームを輸送する未知のシステムがあることを示している。ペルオキシソームへの輸送系では、C末端3残基の配列が輸送シグナルであることが知られている。同様のシステムがプロテアソームの輸送系でも機能していているか否かを検討するため、マボヤ精子から20Sプロテアソームを精製し、卵や筋肉から同様に精製した20Sプロテアソームと、そのサブユニット構成の比較を行った。その結果、精子由来の20Sプロテアソームのα6サブユニットは、卵や筋肉由来のものとは異なることが、2次元電気泳動により確認された。そこで、精子α6サブユニットをゲルから切り出し、ゲル内トリプシン消化後、LC/MS/MS分析を行った。その結果、精子由来のα6サブユニットでは、C末端近傍の、Gly269-Gln270の間で切断されていることが判明した。ショウジョウバエでは、精細胞特異的に発現するα6tと命名されたα6サブユニットの相同遺伝子が存在し、それが発現することにより通常のα6サブユニットを置き換わると報告されている。後口動物では、そのような相同遺伝子は存在しないことから、精子特異的なαサブユニットの存在は考えられていない。しかし、今回の発見により、α6サブユニットは、細胞や臓器によってC末端のプロセシングが行われていることが初めて示された。今後は、ここで発見されたC末端配列の違いが、精子特異的なプロテアソームの輸送系に関わるか否かを検討することが重要な課題である。
|