Project/Area Number |
21248035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉本 千尋 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90231373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶野 喜一 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (80322147)
服部 雅一 京都大学, 医学研究科, 教授 (40211479)
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Project Period (FY) |
2009 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥38,480,000 (Direct Cost: ¥29,600,000、Indirect Cost: ¥8,880,000)
Fiscal Year 2011: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2010: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
Fiscal Year 2009: ¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
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Keywords | ゲノム / 原虫 / タイレリヤ / アビコンプレックス / 進化 / タイレリア |
Research Abstract |
Theileria parvaのゲノムリシークエンス解析、SNP解析を実施した。まず、東アフリカでの分離株とザンビア国内の分離株の遺伝子型別をSNP情報に基づき実施したところ、両グループ間での遺伝的差異が大きく、大陸内の家畜の移動による地理的隔離が本原虫種の遺伝的多様性に大きく影響していることが判明した。さらに、アフリカ水牛由来のタイレリア2株のゲノムResequenceを行い、牛由来株との比較を行ったところ、両者の遺伝的距離が大きく、組み換えが起きたと考えられる可能性は極めて限られており、おそらく東部アフリカで水牛から牛に感染したと考察された。また、2株のクローン原虫(Muguga, Marikebuni)を、牛での混合感染により実験的に掛け合わせて得られた19クローンのゲノムResequenceを行い、高頻度で組み換えが起きており、さらに、ゲノムの組み換えが起きた部位を特定することができた。 一方、ワクチン候補蛋白質の選定を行うためにSNP情報に基づく変異解析を実施した。すなわち、非同義置換/同義置換の比(dN/dS)を計算し、正の選択を受けている(dN/dS>1.0)と考えられる遺伝子を選び出すことができた。これらは、ウシもしくはダニの体内での生体防御系の監視にされられ、正の選択を受けていると考えられ、これらの中には組換えワクチン候補として有用な分子が含まれていると考えられることから、今後これらの候補について詳細な機能・構造解析が必要である。Theileria orientalis (Ikeda, Chitose株)のテロメア付近で見いだされたVeil関連遺伝子について、赤血球内での発育ステージでの役割を解析するため、その構造・機能解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Theileria orientalis 2株のゲノムを完全解読することで両者の比較が可能となった。抗がん剤によるスクリーニングも完了し、標的となる分子も特定しえた。またTheleria parvaの複数株のゲノム比較解析につてい、野外株ならびに実験株を用いて本種における組み換えの解析を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最近、オーストラリア、ニュージーランドなど、牛小型ピロプラズマ病が従来問題となっていなかった地域でのTheileria orientalis感染症が報告されてきていることから、これらの地域の株についても詳細なゲノム比較を実施し、本種の病原性に関わる分子基盤を明らかにする必要がある。
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