Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2011: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2010: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Research Abstract |
胆道癌は発生と進展環境の複雑性,また,それに関連する癌進展様式の多様性を示すことより,早期発見が難しく,早期癌の段階で外科切除出来る例は極めてまれである.癌細胞の浸潤・転移を制御する糖鎖が存在すれば,その糖鎖の合成を阻害することにより複数の糖蛋白質の機能を変化させ,様々な角度より浸潤・転移を抑止出来る可能性がある.胆道癌の浸潤・転移に関わる糖鎖遺伝子(特にGnT-V)の標的分子を詳細に解析し,糖鎖遺伝子によるそれらの機能賦活化について検討した.本研究では,GnT-Vの発現が亢進している胆道癌に着目し,胆道癌の悪性挙動に関与するGnT-Vの腫瘍生物学的意義を明らかにするために,siRNA処理を行うことによりGnT-Vの発現と活性レベルの異なる3種類の胆道癌細胞株を構築し,それらの腫瘍生物学的形質の比較検討を行った.胆道癌細胞株(TGBC44-TKB)に対してsiRNA処理を行い,GnT-V発現をノックダウンした細胞を構築し,GnT-V発現レベルと活性値の解析結果より,オリジナル細胞に比して,その発現と活性が高度に低下している細胞,中等度に低下している細胞,殆ど低下が見られない細胞の3種類の胆嚢癌細胞株を選択した.それらの細胞株を用いて,細胞増殖能,皮下腫瘍形成能,血管新生能,肝転移能について比較検討を行った.siRNA処理を行った胆嚢癌細胞株3種類を用いた実験では,細胞増殖能,皮下腫瘍形成能,皮下腫瘍における血管密度(CD31染色)及び肝転移能は,すべて有意にGnT-V発現レベル及び活性値と相関する結果となった.胆道癌細胞株を使用した実験において,GnT-V発現及び活性値と増殖能,血管新生能,肝転移能は有意に相関することからも,胆道癌細胞の悪性挙動とGnT-V発現の強い相関が証明された.胆道癌におけるGnT-Vの発現は,腫瘍生物学的悪性度を反映する因子であると考えられた.
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