Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00228975)
田谷 雄二 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (30197587)
星野 倫範 長崎大学, 病院, 講師 (00359960)
釜崎 陽子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30253678)
日高 聖 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10389421)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2010: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Research Abstract |
過去のマイクロアレイ分析より,自然発症口唇口蓋裂マウスであるCL/Frの罹患胎児の口蓋棚mRNA発現量が,正常胎児と比較して1/2以下に小さい131分子および2倍以上に多い112分子が同定された。そこで,口蓋裂発症との関連分子を明らかにするために,マイクロアレイのデータ解析を進め,Normalized valueが罹患胎児および正常胎児とも1以上のもの,およびcell cycle,cell deathあるいはtranscriptionなど,GO分類で細胞増殖と何らか関係が報告されている口蓋裂発症候補分子をしぼり込んだ。これらの条件を満たす分子として,9分子(cell cycle関連Frk,Nek2,Katnb1,Tacc1,Transcription関連:Tox,Hmg20a,Usfl,cell death関連:Fastkd2,Dnase2a)が同定された。さらにこの9分子について,リアルタイムRT-PCRを用いて,口唇口蓋裂罹胎児および正常胎児の口蓋棚挙上期の口蓋棚mRNA詳細に比較検討した結果,Nek2,Katnb1,Tacc1,Hmg20a,Usf1,Fastkd2の6分子が,マイクロアレイ解析の大小関係と一致して,CL/Fr口蓋裂発症治胎児が正常胎児と比較して有意に大きいものであった。これらの分子は,神経細胞への分化を促進するもの,癌細胞において発現量が増加するもの,あるいはミトコンドリア症と関連するものなど,いずれも口蓋棚の正常な成長に対してはネガティブ因子であった。口唇裂に引き続き発生する口蓋裂のメカニズムは,従来,口唇裂に引き続き起きる2次的なもの以外には考えられていなかったが,本研究から,同定された一つ一つの分子が相互に口蓋棚の成長に働き,口蓋棚の細胞増殖を抑制し口蓋裂の発生につながっていることが明らかとなり、口蓋裂の成長メカニズムの解明および診断や治療のための重要な基礎的データが得られた。
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