ザリガニの嗅覚探索行動を模倣した高感度水中化学探査ロボットの開発
Project/Area Number |
21650034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Perception information processing/Intelligent robotics
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
石田 寛 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80293041)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 知能ロボティックス / 生態学 / ケミカルセンサ / 能動センシング / ザリガニ / 顎脚 / 嗅覚 |
Research Abstract |
ザリガニは口元にある3対の顎脚を動かし、自ら水流を起こす。小触角にある嗅覚受容細胞に向けて周囲から匂いを集めることにより、水の流れが淀んだ環境でも高感度に餌の存在を検知する。昨年度は、顎脚を模倣したアームを2対備えた水中ロボットを作製し、水流で引き寄せた化学物質を辿って発生源の位置を突き止める実験に成功した。しかし、実際のザリガニの歩行速度に比べ、ロボットの移動速度を遅くしなければ、化学物質源の探知に成功しなかった。そこで今年度は、餌を探して歩き回っているザリガニが実際にどのような流れを作っているか、海外共同研究者であるハル大学(イギリス)のThomas Breithaupt講師と共に再調査した。餌を探すザリガニの行動をビデオカメラで撮影して観察した結果、ロボットに搭載したセンサに比べてザリガニの嗅覚の方が高感度であるだけでなく、ザリガニは状況に応じて顎脚の振り方を変えている可能性があり、その効果を検討する必要があるとの結論に至った。 しかし、ザリガニの顎脚と同程度の大きさで、高い自由度を有するアームを作製するのは困難である。そこで、ポンプで生成した水流を様々な方向へ噴出し、ザリガニが作る水流を模倣することを目指した。数値流体力学シミュレーションを行って噴流の噴出方向を検討し、水平方向および斜め45度後方に噴流を生成できる装置を実際に作製した。噴流の向きを変えると、噴流に引き込まれて形成される流れ場が変化する。これにより、化学物質を引き寄せてくる方向や速さを制御できることが示された。 さらに、流れがある環境でも化学物質源の探知が可能となるようにロボットを改良することを試みた。ザリガニは、流れがある環境で餌の匂いを検知すると、流れを遡る方向に向かい餌の所在を突き止める。この行動を模倣するため、化学物質を含む流れの方向を判定可能な電気化学センサを開発した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)