Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
共創的な表現活動を通じて双方の関係が深まるにつれ,身体の境界が開かれ「包まれつつ包み,包みつつ包まれる」"共振"の感覚が発現する.本研究ではこのような身心-如的な共振状態が発現するメカニズムを解明することを目標とする.本年度は研究計画を踏まえ以下のように研究を遂行した. 1.ウェアラブル型の計測装置を開発し,現場で行われているような身体動作を制約しない手合わせ表現と,座った状態で手の動きを前後の1自由度に制約した手合わせ表現を比較した.計測の結果,いずれの表現においても,意識に上る手のひらの動作に先行して意識に上らない身体全体の動作が確認されたことから,共振発現には自己の潜在的領域の働きが本質的な役割を担うことがほぼ明らかになった.また,この先行性によってタメが創られ,それが身体表現のイメージ創出と密接に関わることを1自由度実験装置により示した. 2.身体表現の熟練者同士で自由に表現を創ってもらい,共振感覚が発現する状態おいて身体全体の動作の先行性がどのように現れるかを調べた.被験者らが共振感覚に近い感覚が発現したと報告した試行では,各人の身体全体の動きが手のひらの動きに先行する様子が頻繁に現れ,両者の間でそれらの時間帯が一致する傾向があることを見出した. 3.前後に駆動される板を介して実験者が設定した任意の力を被験者の手のひらに呈示するロボットシステムを開発したこれを用いてロボット側の動作パラメータを制御し,被験者の動作(位置や速度)感覚にズレを起こさせる実験を試みた.そして,ズレ感覚が身体的な気づきとなってイメージ創出や共振発現に向かう可能性について検討した. 4.以上より,表現を創り合う身体においては,顕在的な働きと潜在的な働きの二つの異なる働きが存在し,それらの循環的なインタラクションが他者との間に起こることによって,イメージが共創され,共振感覚が生まれることを考察した
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