Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
損傷乗り越え複製をコードする大腸菌umuCD, dinB, polB遺伝子を破壊した大腸菌(TLS欠損株)を作り,紫外線(UV)による突然変異を観察すると,除去修復欠損株では突然変異は増加しないが,除去修復正常株でPolymerase I(Pol I)過剰生産した場合,突然変異は上昇した。染色体複製を阻害した条件で,UV照射後経時的に可視光線照射して光回復(UV損傷の除去)すると,光回復の効果(突然変異を下げる作用)は照射後20分で消失した。Pol Iは除去修復でできたギャップを修復複製する酵素である。従って,UVによる突然変異はピリミジン二量体(CPD)が原因であること,染色体複製が無くても生じること,照射後20分という大変早い時間で除去修復を経て,損傷乗り越え複製とは無関係に誘発突然変異が固定されることを意味する。以上の結果から,UV突然変異の生成は,従来のDNA複製依存型の損傷乗り越えによる突然変異生成経路と,除去修復のPol Iによる修復間違いによる突然変異生成経路の2つがあると考えることができる。修復間違いモデルの存在を明らかにするために,次に、UV以外の損傷の代表としてメチルメタンスルフォン酸(MMS)を用い,MMS誘発突然変異でも修復間違いモデルが適用できるかどうかを検証した。その結果,MMS誘発突然変異の場合も,Pol I依存性の修復間違いモデルで説明できる生成経路が存在した。次に,in vitroで修復間違いモデルが正しいかどうかを検証した。TTピリミジン二量体を一つ持つDKAを合成し,これを基質に,Pol Iによるin vitro修復複製を行ったところ,その過程では複製誤りは観察されなかった。TCピリミジン二量体を基質にした修復複製の影響を調べたい。
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