亜鉛欠乏による毒性感受性遺伝子への胎生期エピジェネティックプログラミングの解析
Project/Area Number |
21651022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Risk sciences of radiation/Chemicals
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠山 千春 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10150872)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / 栄養学 / 衛生 / 環境 |
Research Abstract |
胎生期低亜鉛状態が胎児ゲノムへのエピジェネティクスによる刷り込みを引き起こし、成熟後における環境化学物質曝露に対する感受性を変化させるのではないかという仮説を基に、胎生期低亜鉛状態により変動する環境化学物質の毒性関連遺伝子群についてのエピゲノム解析を行った。 前年度において重金属毒性軽減作用や亜鉛恒常性に関与することが知られているメタロチオネイン2(MT2)のカドミウムによる誘導が胎生期低亜鉛環境を経験した5週齢仔マウスにおいて上昇し、その変化はMT2プロモーターのアセチル化ピストンH3およびH4レベルの上昇によることを見出した。 本年度の研究において、生後1日目における仔マウスの肝臓中MT2遺伝子プロモーターのエピゲノム変化を検討したところ、アセチル化ピストンH3レベルの上昇が胎生期低亜鉛環境を経験した仔マウスにおいて確認された。以上のことから、胎生期亜鉛欠乏によってMT2遺伝子にエピゲノム変化(特にヒストン修飾変化)が起き、それが成熟後までエピジェネティクスメモリーと残りMT2遺伝子の誘導能を増強させることが示唆された。 本研究において、胎生期における微量元素環境も仔へのエピゲノム変化を引き起こすことが初めて明らかとなった。本研究で得られた知見は、DOHaD説を胎生期微量元素の作用という観点から支持するものであり、疾患の予防と健康の増進にとって胎児期環境の重要性を示す証拠のひとつとなるであろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)