旧日本軍人による蒋介石支援に関する聴取り調査研究:戦後日中関係史の再構成にむけて
Project/Area Number |
21652062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
張 宏波 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (00441171)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 蒋介石 / 岡村寧次 / 日中関係 / 山西残留 / 閻錫山 / 白団 |
Research Abstract |
本研究は、蒋介石・岡村寧次が中心となった日本と中国との間の様々な分野における非公式な人的繋がりが、戦後初期の日中関係の形成にどのようにかかわっていたのかを浮かび上がらせることを目的とした。 1.昨年度に引き続いて、山西省に残留して閻錫山・国民政府軍と協力し合って共産党軍と戦った経験を持つ元残留兵およびその関係者に対して、埼玉・京都・島根・兵庫などで複数回にわたって丹念に聴き取りおよび資料収集を実施した。 2.山西残留当事者は戦後の中国で戦犯として収容されたが、彼らの調査や裁判を担当した党中央の検察官や裁判官が遼寧省撫順市に一同に集う機会が2010年6月に持たれたため、そこに参加して聴き取りを行った。彼らとは、北京で蒋介石研究学術シンポに参加して台湾の研究者との研究交流を行った別の機会にもコンタクトを取り、聴き取りを重ねた。 3.日本敗戦後に台湾に派遣された旧日本軍人の軍事顧問団である「白団」の関係者からの聴き取りを行う予定であった。しかし、台湾への渡航直前に東日本大震災が発生したため出発が不可能となり、残念ながら調査が実現できなかった。今後の課題としたい。 現段階で明らかになった課題は、当事者、関係者の高齢化が進んでいるため、早い段階でオーラルヒストリーをまとめる必要があるという点である。聴き取りとその史料的裏付けを同時に進めながら作業を行ってきたが、非公式の人的交流が研究対象であるだけに、聴き取った内容同士を照合しながら検証していく側面の方が大きくなる。そうした作業をさらに進めれば、戦後初期の日中間に軍事・政治的連携を構築しようとする主体的な動きが存在したことを示す史料の空白が、かなりの程度埋められることを確認できた。 以上の研究成果の一部を、研究協力者として本研究に携わった石田隆至とともに発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)