Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
金属水素が高温超伝導を示す可能性が40年前に提唱されて以来,水素化物超伝導体が注目され続けてきた.しかし,水素の取り扱いの危険性,安全性を考慮した特殊な装置の必要性からか新超伝導物質の探索研究は進展していない.そこで,本研究では,水素ガスボンベも特殊な反応容器も用いることなく水素化合物を合成する安全で簡便な手法を開発した. 水素発生源として還元剤CaH_2とCuOの混合粉末を用いる.CaH_2は約300℃でCuOから酸素を奪いCaOとなる.その際に発生する水素ガスを利用する.この混合粉末をペレット状に成型し,水素化したい合金を一緒にガラス管または石英管に真空封入する.これを電気炉で加熱する.混合粉末の量,ガラス管(石英管)の容積で水素圧を制御できる.まず,合金の代わりにTiで水素化を試みた.その結果,600℃の加熱でTiH_2を合成することに成功した.次に,新しいペロブスカイト型水素化合物AlNiH_3,Bi_2PdH_4の合成を目指した.まず,AlNi,Bi_2Pdを作製した.原料Al,Ni,Bi,Pd粉末をそれぞれ化学量論組成になるように秤量,混合し,ペレット状に成型し,石英管に真空封入した.AlNiにおいては1100℃で60時間反応させて得た.また,Bi_2Pdにおいては600℃で原料を溶解し,12時間保持した.その後,450℃まで徐冷して2時間保持した後,水の中に急冷して得た.次に,これらの合金を先に述べた新しい合成法を用いて、水素化を試みた.AlNiに対しては、水素源もAlNiも300℃で,Bi_2Pdに対しては,水素源は300℃で,Bi_2Pdは室温に保って水素化を試みた.粉末X線回折の結果は,どちらも母物質と変化はなかった.水素化しなかった,もしくは水素化したがX線回折測定の際に大気中へ水素が脱離したものと考えられる.
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